ゲーム夜話さんが、フォールアウト4の解説動画を出されていたのですが、紹介がうまいのか、面白そうだと思いました。

 

フォールアウトは、核戦争後の世界を描いているので、その点で、メガテンと同じですが、核戦争の脅威は20世紀の末に多くの人が心配していたことです。僕はそれは、今気にすべき脅威じゃない感じがするので、今、危険視すべきものを新たに見出すべきじゃないかと思っており、そういう観点から、メガテンも核戦争から離れた方がいいんじゃないかと思うし、フォールアウトにはあまり関心が持てないでいました。

 

多分、今心配すべきことは、物質主義や商業主義が、人間生活を圧迫することに対して、どのように抗うことができるかという問題じゃないかなと、とりあえず思っています。核戦争を持ち出す話は、全体がめちゃくちゃになった時に、今とは全く別の世界が現出するという展開になるので、今の世界をどう考え、そこでどう行動すべきかを考えることとは、違う問題に連れていかれてしまいます。

 

フォールアウトは、エルダースクロールズと同じで、先の展開がプレイヤーの自由に任されているので、人によってどういう展開になるかは違ってくるのかもしれません。しかし善人として生きて行くと、文明が崩壊した世界で、新たに文明的状況、人間的状況を復活させる展開が可能になるようです。

 

街づくり要素が取り入れられているので、それは崩壊した文明状況を再建するストーリーを紡ぐために使えるようです。住みやすい状況を作れば、そこで暮らすことを希望する人たちがやってくるそうです。

 

それから、たまちゃんの動画で、フォールアウト76の紹介動画を見ました。多分、新しく追加されたシナリオの解説だったんだと思います。

 

探索して敵と戦う場面もあるんですが、物語の本筋を追体験するには、方々に配置されている端末に記録されているログ・ファイルを読む必要があるようです。ひとつひとつがそれなりの分量がありますし、会話の断片とか、独白とか、形式もさまざまなので、読解力が必要だし、フォールアウト3に出てきた内容と照らしあわせたりする場面もあって、記憶力も必要という感じがしました。

 

他のゲームでも、セリフが読み上げられたり、わかりやすいように、しかし不自然にならないように、工夫してあるだけで、文章によって物語を伝えられるという構造には、あまり違いがないのかもしれません。

 

しかし、直接体験しているという印象を与え、テキストを読んでいるという印象を与えないように、工夫することは可能だ、ということかもしれません。

 

フォールアウトは、読むことが苦手だったり、面倒だったりする人には、中身を深く読み取ることが難しいのかなと思いました。

 

フォールアウトでは、ヴォルト(核シェルターらしい)の中で、人間が殺し合いをするとか、人体実験が行われるとか、そんな暗いストーリーがあるようです。

 

今回の追加ストーリーの範囲では、AIが暴走して、人を粗末に扱うようになったという話になっていました。AIの話を聞くと、AIには効率が何よりも大事に思えるので、目的到達のための最高の効率を目指し、人を速やかに殺すことが必要というような結論を出してしまうようでした。

 

悪人を排除する時には、他の人たちにはいいことかもしれませんが、全体のシステムを効率化するなど、抽象的な目的をAIが考え始めると、食料を一番長続きさせるためには、人間をたくさん殺せばいいという結論に達することもありえるわけです。

 

最高の目的が何であるか、人間であれば、あまり詳しく話をしないでも、ある程度、共通する考えを持てるのかもしれません。AIには、そんな常識の共有のようなことは期待できず、話し合って共通の見解に達することができるかどうかが問題となります。フォールアウトの追加シナリオの世界では、共通理解を持つことを目指したものの無理だったという結論になっていました。

 

ここには、AIと人間との間に共通理解を持つことが難しいのではないか、という問題意識がありますが、人間同士でも、話し合ってもなかなか共通の見解に到達できないということがあるかもしれません。

 

人殺しは良くないという基本的な道徳原則は共有できるかもしれません。しかし貧しい人たちや飢えている人たちをどうするべきかという話になると、誰か助けたい人が助けたらいいんじゃないかとか、自業自得だから報いを自分で受けさせればいいという見解が出てきて、当然助けるべきだと考える人と、見解の不一致が起こるんじゃないでしょうか。

 

フォールアウトという言葉については、フォールが落ちていく、衰退していくという意味で、アウトが結果何々になるという意味だと思うんですが、フォールアウトという名詞形では、核爆弾の放射性のチリ(死の灰)のことを言うようです。