アークタイムスを見ました。前川喜平さんがゲストでした。

 

最近の国政では、裏金関連で下村さん、森さんの名前が挙がり、能登地震の対応で、馳浩さんの名前が挙がっていますが、この方々と前川さんは一緒に仕事をしたことがあるらしくて、前川さんの話は、(ある程度推測を交えているとはいえ)ほぼインサイダーの情報となっていて、非常に貴重だと思いました。

 

下村さん、馳さんは、文部科学大臣の経験者であり、森さんは東京オリンピックやその他のスポーツの大会を仕切っていましたが、スポーツは文部科学省の管轄なんでしょう。下村さんは統一教会から応援を受けているみたいですが、宗教団体の監督も文部科学省の関連です(文化庁)。

 

馳さんが、石川県で、企業の方を向いて、被災者をないがしろにしているようですが、馳さん自身が悪い人なわけではなくて、自民党の政治家としては、業界団体の要求を聞かないといけないようで、そのことが背景にあって、被災者には厳しい対応になっているようです。森さんとのつながりや、維新とのつながりもあるので、そこから言われたことも反映していると思われます。

 

そして、安倍政権時代、オリンピックの関連で、森さんからスポーツ選手でもあり、業界に顔が広い、馳さんを文部科学大臣にするように打診があったそうです。安倍さんはその案を取り入れようとしたものの、下村さんが強硬に文部科学大臣になりたがっていたので、調整に手間取ったという話です。環境大臣が蹴られて、次にもっと格上の総務大臣の話を持っていたものの、それも蹴られたそうです。なぜそこまで文部科学大臣になりたかったのかは謎ではありますが、推測はできるみたいです。ひとつは統一教会が名称変更を求めていて、下村さんは自分が大臣になってそれをやろうとしていたという説です。そして他には、国家主義的な政策変更を下村さんがぜひともやりたいと考えいた可能性です。

 

安倍さんは、下村さんとは年齢も近く仲が良かったらしいですが、下村さんの頑固な態度で、森さんに不義理をする形になったので、下村さんの後に馳さんを大臣にするから納得してくれと話をしたのではないか、という話でした。

 

こうしてインサイダーの情報をもとに、内部のやりとりを(推測を交えながら)再現していると、誰も悪意で動いているわけではなくて、派閥推薦の人事と呼ばれている不正行為でも(適材適所にすることが国民に対する責任)、ただみんなの気持ちを尊重しながら、納得を得る、献身的で地道な作業にしか見えません。

 

実際、売国と呼ばれている現象でも、内部でやっている人たちは、お互い助け合い、励まし合って、和気あいあいとやっているだけかもしれないと思いました。

 

前川さんのように、内部の会合に実際に居合わせた人は、ほぼインサイダーです。官僚は、政治家同士の密談の場にはいられませんが、あまり深く知り過ぎると表に出せないことも出てくるので、市民のために情報を漏らすことができるのは、官僚の立場あるいは野党議員の立場がギリギリかもしれません。それ以上深く知ると語れなくなるのかもしれません。

 

新聞記者は、インサイダーに直接接して話を聞くことができるので、公開情報をもとに考察をする評論家よりは、インサイダーに近いですが、会合が行われている会議室の外にいてドアに耳を当てて漏れてくる声を聞こうとする立場なので、やや想像の部分が多くなるということかもしれません。

 

公開情報をもとに考察する評論家でも、洞察力を働かせることができるので、大事なポイントを言い当てることがなくはないと思いますが、やはり想像をめぐらせる元となる情報が少なすぎると、的外れな想像になることが多いかもしれません。