舌の右裏の部分切除と右頸部郭清術。
不思議と平静で、何の不安もありませんでした。
同じ手術の人が午前中にいて、私は2番目。午後の予定で、結局呼ばれたのは2時50分頃。
看護師さんに、
「緊張してないですか?」
と聞かれたときも、
「大丈夫です。自分が何かするわけではないですから・・・。先生方は大変ですね」
と答えていました。
手術室に入って、主治医から、どこのどんな手術をするのかを自分で言わされました。
(あ、そういうものなんだ!そう言えばこの病院も手術で患者の取り違え事故があったからな・・・)
などと考えていました。
「大きく息をして、10数えてください・・・」
と言われましたが、その後記憶がありません。麻酔で落ちたのですね。
テレビドラマの「医龍」の阿部サダヲを思い出しました。
人の呼びかける声で気づいたら手術は終わっていました。
自分の実感としては30分くらいうとうとしてた感じだったので、そばにいた嫁に時間を聞いたら、
「8時40分」
5時間半もたっていました。
呼吸の仕方を忘れたみたいに息が苦しくて、
「息が・・・できない」
と訴えたら、
「大丈夫ですよ。ゆっくり深呼吸してみましょう」
と言われ、そのとおりにしてみたら落ち着いてきました。
暑いと思ったら高熱が出ていたみたいで、慌ててて冷やしてもらったら汗びっしょり!
今度は寒い寒い!
それもまもなく落ち着いて平静に戻りました。
足のふくらはぎあたりに巻いて、マッサージをしてくれる機械をずっとつけていたのですが、寝返りがしにくい術後の状況では、この機械のおかげで随分心地よく過ごせました。
手術は無事終わり、ホッとしました。
舌もあるし、しゃべれるし。
しかし今思えば、これが闘病生活の始まりなのでした。