全国区の銀行だったので、独身寮がありました。
この「男の世界」の逸話は数えきれないのですが、いくつかをご披露したいと思います。
ちなみに寮の基本スペックは、
・鉄筋コンクリート５階建て
・個室で一人四畳半＋押入れ
・トイレ、洗面所、洗濯室は共用
・共用の食堂兼リビングあり
・住み込みの管理人が食事づくりと保守管理をしてる
★以下、画像はありませんが閲覧注意です。
(１)暗証番号
まず、寮の入口のドアの暗証番号。夜中に帰宅することも日常茶飯事なので、玄関のドアはテンキーで鍵が開きますが、その番号は、
「１１０７」
「イイオンナ」ですって。
※もう寮も取り壊されましたのでばらしてもいいかな。
(２)マンボ男
朝起きると、共用の洗面所で歯みがきしてる先輩がいて、
「おえーーっ・・・あっ！・・・うっ！」
と毎日えずいている声がするので、その声にちなんで「マンボ男」と呼ばれていました。
(３)ゲラー
汚い話が続きますが、毎日のように酔っぱらって帰っては、洗面所だかトイレだかで吐いてる先輩がいまして、その声が聞こえてくるのです。
名付けて「ゲラー」
失礼。
(４)電話の取り次ぎ
電話はまだ携帯電話なんてない時代ですよ。皆さん。
だから玄関に一台だけ黒電話がありまして、かかってくると、誰か近くにいた人がボランティアで取り次いでくれて、全館放送で呼び出してくれるのですが、中には意地悪して、
「405号室の⚫⚫さーん。若い女性の方からお電話でーす」
などと言いふらされたりします。
(５)ご飯はひどい
管理人が作るご飯。ひどかったです。
朝ご飯250円、夕ご飯400円だからしょうがないのですが、それにしても。
朝ごはんが、ご飯に味噌汁に納豆にハム、以上、とか。
月単位で、ご飯の注文をする名簿があり、◯と×をつけるのですが、みんな「今月も×書かなきゃ」「×書くの忘れたー」とか、×を書くのが前提になってました。
(６)プレスリー
ものすごく頭を油で固めてる先輩がいて、プレスリーと陰で呼んでました。
(７)お風呂
お風呂はやけに広くて良いのですが、私の支店はいつも帰りが遅くて、風呂に入る頃は冷えちゃってるんですよ。
みんなが入った後なので、まるで「白乳泉」。
しかもシャワーの温度の調節がすごく難しくて、調節してから、いざかけようとすると、熱くなったり冷たくなったり激変します。
水虫の人もいるのに、バスマットも共用ですしね。
(うわーー)
(８)リビングの主
いつもリビングで過ごしてる人がいました。その人、部屋が今で言うゴミ屋敷状態で、部屋では寝られないんですよ。
管理人が定期的に部屋の掃除に入るのですが、「これでは掃除ができません！」と貼り紙されてました。
(９)ケーキやけ食い
お取引先の販売するクリスマスケーキなどをお付き合いで買うのですか、どの支店も必ずそういうお取引先があるので、クリスマスにはみなケーキを買って帰ってきます。
分け合って食べようと思ったら、みんな持ってるので、私の四畳半の部屋に３人集まって、ひとりひとつのホールケーキを食ってクリスマスの夜を過ごしたことがあります。
せっかくなので、ロウソクもつけたりして。男３人で。
隣のやつは、駅前の商店街を担当してたのでケーキ３つ持って帰ってましたよ。
ご飯代わりに食べるしかないと言ってました。
(１０)キノコ栽培
お隣くんとは、毎日のように一緒にテレビを見て過ごす仲でした。「三宅裕司のいかすバンド天国」は毎週一緒に観てました。
ある日彼がいつもの元気な声で、
(トントン！)「moetitiさん、いるー？」
と訪ねてきました。
「ちょっときてよー」
というので、彼の部屋に行くと、何と！畳からキノコが生えてきてるではないですか！！
へえー！とばかり、しばらく二人で楽しく観察していたのですが、ある日、
(トントン！)「moetitiさん、いるー？」
とまた彼がやってきて、えらく怒っています。
「ちょっときてよー」
と、彼の部屋に行ってみると、キノコが取り除かれてました。
「管理人のババア、勝手にキノコ捨てやがったよ！！」
と怒ってます。
んーー。
キノコ狩りかー。
残念でしたけど、管理人さんに見つかれば、捨てられるよなと思います。
まさか管理人さん、キノコを横取りしてキノコ汁にしてるわけじゃないでしょうし。
悪いけど、私は大爆笑でした。
汚い切ない話ばかりですが、振り返れば懐かしい思い出です。
私のもうひとつの青春時代でした。
みんなどうしているんだろ。
