先月、日本橋のディスクプラザで買った中古ビデオ・ソフトで『血を吸うカメラ』を観る。

 

(これはかなり古い映画ですな。1960年製作というから…当時の…今から33年前。現在からいうと64年前になり、完全なる古典映画ですな。タイトルだけは聞いた事があり、かなり有名な作品ですが、勿論観るのは今回が初めてですな。イギリス映画という事で、出ている人も誰一人として知らない期とばかりなのですが、作風でいうと、あの『マニアック』のルーツというか、その原点であるような。

写真を撮りながら、カメラにナイフを突き立てる装置を取り付け、被写体が恐怖におののく写真を撮るという、まさにマニアックな性格の主人公で、33年前にもうこんな映画が出来ていたなんて、映画と言うのは、本当に恐ろしいものですな。邦題の『血を吸うカメラ』というのは、まさにその通りで、実際に血は吸いませんけど、ちょっとゾッとするタイトルですな。原題も“Peeping Tom”で、これが覗き魔を意味するとは、この映画から来た言葉だったんですね。

まぁ、作られたのがかなり前なので、今で云うスプラッター・シーンなどは皆無なんですが、その異常な主人公の陰湿なドラマ中心に描かれている訳なので、主人公に感情移入する暇もないぐらいで、そこが難点ではあるんですが、やはり、現在のホラー・ブームの為に、一度は観ておかないといけないような気がしますね。何本かの名作を撮ったマイケル・パウェル監督の、これは突然撮った異常な映画と言えますな)