昨日に続いて、同じLDの片面に収録されてた『キートンのセブン・チャンス』を観る。
(昨日観た『ロイドの要心無用』のLDの片面に入ってた作品が、『キートンのセブン・チャンス』ですな。実はこの映画、このタイトルになったのは、リバイバル上映からで、日本での初公開時の邦題は『キートンの栃麺棒』というタイトルでした。それの意味はよく分からないんですが、何でも、栃麺という麺類の一種を作るのに、迅速さが必要とされるところから、うろたえてあわてる事らしいのですが、ようするに、この映画を一言で表したら、それになるという事のようですな。ワタシは、邦題を記す時に、初公開のタイトルを記すのが一番だと考えており、それなら当然、『キートンの栃麺棒』となるのが正解なのですが、映画自体古い作品なので、ここは例外としてリバイバル時の邦題にしておきました。
古い映画の場合は、よくリバイバルで邦題が改変されている場合あり、例えば、『シンドバッド7回目の冒険』は、初公開時は『シンバッド七回目の航海』と実際の原題に近く、“シンドバッド”が“シンバッド”になっていたんですな。その後シリーズが2本作られましたが、いずれも『シンドバッド黄金の航海』『シンドバッド虎の眼大冒険』と、役名が原題とは異なる“シンドバッド”になり、おかしなシリーズになっているという事がありましたが、やはりここは『栃麺棒』よりかは『セブン・チャンス』の方が良いみたいですな。
まぁそれはともかく、映画はもう大爆笑で、よくもこんな映画を作ったなぁという、これもサイレント映画ならではの爆笑映画になっておりますな。特に、後半のクライマックスでは、キートン得意のスタント・アクションが飛び出し、もう抱腹絶倒でしたな。やはりこれは、キートンにしか出来ないスタントで、現代のジャッキー・チェンぐらいしか出来ないものでしょうな。2000年代に入り、これをリメイクしたであろう、クリス・オドネル主演の『プロポーズ』という映画を観ましたが、このオリジナルとは全然違う、何とも腑抜けた映画になっており、増々キートンの偉大さが分かる映画になっておりましたな。
因みに、これも短縮版かと思いきや、ランタイムが56分なので、一応完全版のようで安心しましたな。この56分間の間にどれだけのギャグが詰め込まれているか、昨今のコメディ作家たちに、もう一度勉強して欲しいものですな)
