昨日、梅田のディスクピア三番街店で買ったLDで『裸のランチ』を観る。

 

(日本で『ラビッド』で監督デビュー以来、その作風が気に入って、ワタシもファンでありましたデイヴィッド・クローネンバーグ監督ですが、前作の『戦慄の絆』で、その本性が現れ始めて、やや不満を持っていたものだったですが、本作ではさらに人間の深層心理に深く斬り込んだ作風になり、ますますワタシの手の届かない所に行ってしまったみたいで、実に困った映画になっていましたな。

まぁ、これがクローネンバーグのやりたかった事だというのは分かるのですが、当初のグロテスクなホラー・テイストが消えてしまったのがワタシとしては寂しかったですな。勿論、特殊メイクを駆使したシーンというのは出て来るのですが、テーマ自体が全然違う為、それまでの作品と一線を画しているのが明白ですな。

ただ、一種のトリップ映画として観たら、結構味がある映画で、そういう異常な映画としては楽しめる作品ではないでしょうかね。

因みに、主人公の妻ともう一人の妻役の二役を演じたジュディ・デイヴィスの、何とも言えない不思議な魅力というか、魔力というものに衝撃を受けた程で、その点だけはこの映画の優れた点ではないかと思われますなぁ)