朝、梅田のニューOS劇場で『カナディアン エクスプレス』を観る。
(ワタシの大好きなピーター・ハイアムズ監督の、当時の新作ですな。実はこの作品、一応正月映画として公開されてる訳ですが、噂によると、ミナミの劇場では、不入りの為、正月になる前に上映を中止して別の作品が上映されるとの事。ほんまかいな。と思って調べてみたら、何と本当にミナミの千日前スバル座では8日封切りの所、今週の22日からの違う映画にバトンタッチされてるではないの。しかもその映画が、本年一番ヒットして好評だったという『ゴースト』だったとは。リバイバルというかリピート上映に、ハイアムズの新作が負けてしまったという、何とも情けない結果に、まさにトホホ…ですな。そりゃぁ『ゴースト』はイイ映画ですよ。上映すればまだまだ観客もいっぱい入るでしょうよ。でも、ロードショーが終わったなら後は名画座や二番館にお任せするべきで、それが未練たらっしく、凱旋ロードショーなんて、それはないでしょう。…実際、映画館によっては『ゴースト』は今だに上映中だが…まぁ他の映画だったらまだしも、それがハイアムズの新作だから、ワタシはいても立ってもいられなくなり、それで結局、正月映画なのに正月になる前に観てしまったんですな。こんな事、数年前にあった、正月映画なのに正月を待たずして上映が打ち切りという『ニューヨークの恋人』以来ですな。そういえば、あの作品にはアン・アーチャーが出ていましたが、今回の『カナディアン エクスプレス』にも、ジーン・ハックマンに危機から守られる役でアン・アーチャーが出演していて、それを思うと、相当アン・アーチャーは日本の興行界から嫌われているのかも知れませんなぁ。
映画の方はまさに快調そのもの。オープニングからたたみかけるアクションといい、列車の上でのハラハラするサスペンスといい、ピーター・ハイアムズのいつもの快適なテンポで、我々を大いに楽しませてくれていましたな。
何でもこの映画、1952年に作られた“Nallow Margin”という映画のリメイク…日本未公開で『その女を殺せ』というタイトルでテレビ放映された…であるらしく、ハイアムズ監督としてもリメイクは初めてなんじゃないかと思いますな。ラストの処理も含めて、割とスケールも乏しい映画だって事は解りますが、それを潔くラストをまとめたハイアムズ監督にはアッパレと言いたいですな。
因みにこの映画の配給は東宝東和ですが、東和のもう1本の正月作品としては、話題のシュワちゃんの『トータル・リコール』があり、東和さん、アチラの宣伝に力を入れた為、こっちが疎かになったのではと勘ぐってしまいたいぐらいの宣伝でしたな。でも、映画は傑作だと思いますな)

