近所のトーワブックスで『脱獄・広島殺人囚』のビデオをレンタルする。 

 

(当時で云う所の東映実録路線の新作ビデオでしたな。松方弘樹主演の“ムショ・シリーズ”の1作目ですが、基本的に話は全然繋がっていないので、シリーズのどれから観ても無問題ですな。多分、このシリーズが作られたきっかけは、あの『パピヨン』のヒットがあったような気がしますな。日本にもパピヨンみたいな奴がいたってな感じで、日本版パピヨンを目指したのではなかったような気がしますな。作られたのも『パピヨン』が公開された1974年ですし、原案は『仁義なき戦い』の美能幸三の実話が元になっているしという事で。

それとこの映画は、全体的にコメディ・タッチなので、割と気軽に観られるというのが良く、普段実録路線を観ない人でも楽しめるというのがイイですな。この映画に限らず、松方弘樹主演の映画はそういう軽い感じの映画が多いので、あまりヤクザ映画特有の悲惨な感じの映画は少ないですな。やはりそれは松方のキャラのせいだとは思うのですが、この映画でも刑務所を脱走するシーンにしても、マンホールから抜け出そうとして、身体が抜けなかったりという、笑えるシーンが随所にあり、軽い感じで観られるというのがイイですな。今、改めてこの映画を観てみると、やはりこういうキャラを持った映画スターがいないという事が、残念で仕方がないと思い、今更ながらに松方弘樹というスターの存在が貴重だったって思いますな)