





その後、阪急東通りへ回って、輸入レコードショップDUNで、『スウォーム』と『ハリケーン』と『ブールバード・ナイト』の輸入盤サントラLPを買う。
続いて、富国生命ビル地下のビクター・ミュージック・ショップで「エンニオ・モリコーネ・ベスト」というオムニバス盤のサントラLPを買う。
(この日は暑い中、またサントラ漁りの日。まず阪神百貨店で買ったのはどちらも日本盤で、共に、この前年に公開されていた映画のサントラですな。『ハロウィン』は、実は当時日本でのみリリースされていた貴重盤で、音楽だけではなく、セリフや効果音まで収録された“半ドラマ編”みたいな仕様で、しかも劇場公開時の音響効果“スペースサイザー360方式”で録音されているというのもウリでしたな。当時はこれが本当のサントラだと思い込んでいた訳ですが、83年にアメリカのヴァレース・サラバンドからリリースされたアメリカ盤を聴いてみると、曲名や収録曲数の違いは勿論、音楽自体も微妙に違っていたんですな。どうやら、この日本盤の音楽は、日本で独自に録音された、つまり限りなくカバー盤に近いバージョンであった事がその時判明した訳で、アメリカ盤の方が正式なサントラだった訳ですな。
元々は、監督のジョン・カーペンターが自分で作曲して自分でシンセサイザーで演奏した単調な音楽がほとんどで、いわば、楽譜さえあれば日本でもシンセサイザーを使えば簡単に演奏出来た結果の、いわゆるカバー盤だったようで、曲数が少なかった分の穴を、セリフや効果音を入れて埋めていたという次第だったようですな。ジャケットには、“演奏はボーリング・グリーン・Jr・フィルハーモニック・オーケストラ”と書かれてあるんですが、これはカーペンターが勝手に作り上げた楽団名ですな。
因みに、“スペースサイザー360方式”は、ショック・シーンになるといきなり劇場全体を包み込むようなショック・サウンドを流すというだけのコケ脅かしのような音響効果で、いわば、高音のシンセサイザーの音量を大きくしただけというものでしたな。一応、その部分もサントラには含まれていて、確かに音が急に大きくなるのでビックリしますな。
後のヴァレース・サラバンド盤を入手した際、これで日本盤は要らなくなったと思いきや、バージョン違いだった事が判明した為、ずっと手放さないでいたんですが、この日本盤は今やCD化もされないので、ますます貴重盤になりつつあるようですな。
同時に買った『面影』は、クラーク・ゲーブルとキャロル・ロンバードの出会いと別れを描いたハリウッドの内幕もの&ラブ・ストーリーで、実はまだ映画を観ていないのに買ってしまったもの。音楽はミシェル・ルグランで、映画の内容はともかく、FMラジオで聴いた際の音楽がとても美しくて印象的で、その時から気に入っており、見付けた時に思わず買ってしまったものでしたな。買って正解、とてもリリカルな音楽で、より一層気に入りましたな。これもまだCD化されていないようで、是非お願いしたいものですな。
因みに、主役二人の往年のハリウッド・スターを、ソックリさん役者がそれぞれ演じていたのも話題で、ゲーブル役をジェームズ・ブローリン、ロンバード役をジル・クレイバーグが演じてましたな。クレイバーグはこの後、演技派女優として大成しましたが、一方のブローリンは、当時は『カプリコン・1』『ジャグラー』『ザ・カー』のアクション・ヒーローでしたからな。この映画のゲーブル役には戸惑いましたが、ま、ソックリ度では及第点だったような。今は息子のジョッシュ・ブローリンが、味のある曲者俳優として頑張っておりますな。
次の店で輸入盤で買った3枚の内2枚は、これも未見作品でしたっけ。唯一観ていたのは『スウォーム』で、これはアーウィン・アレン監督の昆虫パニック作。映画は失敗でしたが、ジェリー・ゴールドスミスの音楽だけは最高で、その音楽だけを聴きたいが為に買ったものでしたな。今は全曲収録された完全版がCDでリリースされてますが…限定盤で今は入手困難ですが…、聴けば聴くほど味のあるサントラで、ホント、あの映画には勿体無いぐらいの最高の出来ですな。とか言いながら、本編の方もビデオやDVDで持ってたりするんですが、出来の悪い子供ほど、どうしても可愛く思えるものですからな。
『ハリケーン』は、ディノ・デ・ラウレンティースが『キングコング』大ヒットの余波を受けて、再び手掛けた往年のパニックもののリメイクでしたが、映画は全然ヒットしなかったですな。音楽はニノ・ロータで、安定した出来でしたが、映画同様、ほとんど印象に残っておりませんな。確か、本編の方は、未だに観ておりませんですな。噂では、最後のハリケーン・シーンがちょっとだけ凄い事以外は、退屈な南国ラブ・ロマンスものであったとの事。そういえば、もう何年も前に中古ビデオを入手したけど、これまたまだ観ていなかったっけ。
もう1枚の『ブールバード・ナイト』も、未だに観た事がない映画ですな。『ウォリアーズ』のヒットで、一時期ブームを呼んだ“ストリート・パンクもの”の1本ですが、日本では全く話題にならず消えましたな。確かビデオにもなっていなかった筈ですな。
じゃあ何故これのサントラを買ったのかというと、音楽がラロ・シフリンだったから。ただそれだけの理由…あと、値段が安かったから、というのもあったような…だったんですが、聴いてみるとこれが意外や意外、結構イイんですな。シフリン得意のジャジーというか、どちらかというとフュージョン系に近いノリノリの感じのスコアが満載で、気分が高揚した時のBGMには最適でしたな。なので、これのCD化もお願いしたいものですな。
最後の1枚は、オムニバス盤。タイトル通り、エンニオ・モリコーネが手掛けた映画のテーマ曲集で、一応全てサントラで収録されてましたな。定番の『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・荒野の1ドル銀貨』『ウエスタン』というマカロニ・ウェスタンものから、『死刑台のメロディ』『アルジェの戦い』といった名作、さらに『狂ったバカンス』『わが青春のフロレンス』『太陽の下の18才』『狼の挽歌』といったのが収録されていて、いわばモリコーネ入門編のような1枚でしたな。同様の企画のLPは当時沢山出ていて、大なり小なり、曲目が被ったりしたのもありましたな。ただ、同じレオーネ=イーストウッドのマカロニでも、『続・夕陽のガンマン』だけは、レーベルが違うので収録されていないのというのは、当時から痛かったですな。今では、3部作が全部収録されたカップリング盤がCDでリリースされていたりする事を思うと、最近の方が権利をクリアするのが容易になったという事なんでしょうかねぇ。よく分かりませんが)