
夜、月曜ロードショーで『アメリカ大陸横断 激走!5000キロ』を観る。
(『激走!5000キロ』はこの時がテレビ初放映で、この丁度3年前の77年の正月映画として公開されていたので、正月シーズンに観るにはピッタリの映画でしたな。後の『爆走!キャンボール』や“キャノンボール・シリーズ”等のレースもの映画の原点となる映画ですが、実はこの手の“レースもの映画”は、既に50年代~60年代にかけて色々作られていましたね。『八十日間世界一周』だとか『おかしなおかしなおかしな世界』だとか『素晴らしきヒコーキ野郎』だとか『モンテカルロ・ラリー』だとか『グレートレース』なんかがまさにそれで、大概は、どれも長編で、コメディ・タッチで、オールスター・キャストで、破壊のスペクタクルがあって…と、パターンは決まってましたな。70年代になってから登場した“レースもの”も、このパターンがそのまま踏襲されていて、唯一ランタイムが長くないのが違う点でしょうか。
で、70年代以降のこの手のジャンルで一番面白かったのが今回の『激走!5000キロ』ですな。これが『爆走!キャノンボール』や『キャノンボール』等の後追い作品との違う点は、1.しっかりとコメディとして作られている、2.カー・アクションが凄い、3.笑いとカー・アクションが見事に融合している…という辺りでしょうか。どれもストーリーは似たようなものでしたが、『爆走!キャノンボール』は、後半何故かシリアスになってしまうのがネックだったし、『キャノンボール』は、違う部分で笑わせてくれるものの、肝心のカー・アクションが部分的で、しかも笑いと分離してしまっていたのが致命的ではありました。
そこへ行くとこの『激走!5000キロ』は、監督がスタント・コーディネーター出身のチャック・ベイルという事もあり、出てくるカー・アクションはハンパじゃないし、それに、笑わせる箇所やギャグも、通常のコメディとしてしっかり基本が押さえられているし、さらにカー・アクション部分もちゃんと笑いと融合しているのが素晴らしかったですな…特にカワサキに乗っていたオッサンが秀逸!…。さすがに『フリービーとビーン/大乱戦』で培った力は、ダテじゃなかった訳ですな。
オールスターという事で言うなら、他の作品に比べ、これが一番地味だった気もしないではないですが、例えばマイケル・サラザンは『ひとりぼっちの青春』の人だったし…ジャクリーン・ビセットの元カレでもありましたな…、ノーマン・バートンは『タワーリング・インフェルノ』で、一番最初に火事の犠牲になる人…ポール・ニューマンの部下で、煙が出ている部屋を開けようとして炎に襲われた人…だったし、スーザン・フランネリーも『タワーリング・インフェルノ』で、ロバート・ワグナーと情事を楽しんだ後に、非業の死を遂げた人だったし、ラウル・ジュリアも何かの映画で観た事がある顔だったし…笑…と、どれもみんな詳しくは知らないけど、何かで見た事がある顔ぶれが揃っていて、賑やかでもありましたね。
他にも、レースの途中でラウル・ジュリアにナンパされるギャルとして、『死亡遊戯』でブルース・リー…正確にはソックリーさん…の恋人を演じたコリーン・キャンプが出てきて、しかも大胆にも豊満な肢体まで見せてくれていたのには、当時のいたいけな青少年の胸をキュンとさせてくれてましたっけ。あと、ゲイリー・ビジーやティム・マッキンタイア等、後に着目される名脇役も出ていた事も合わせると、これは立派にオールスター・キャストの映画でもありますな。
レースを遂行する為に、レーサーたちと警察との戦い…駆け引き…の中に措いて、警察側が徹底的にコケされるという展開も、この手の映画のパターンではありますが、この映画の場合、警察側にノーマン・バートン扮する警部というキャラクターを固定する事により、駆け引きがより濃厚になるのと同時に、それがまた笑いに転じて爆笑に次ぐ爆笑を生み出していたのも、この映画の優れた点でもありましたな。なので、ラストで警察が一発逆転する所に意外性があり、さらにその後のオチにも繋がるという連鎖効果を現出させていたのも上手い構成で良かったですな。
にも関わらず、こんなに面白い映画が、未だに我が国では、DVDさえ出ていないのというのは一体どういう訳なのでしょうか。VHSのビデオ・ソフトは持ってますが、あんな左右がブッた切られた窮屈な画面では見苦しいったらありゃしない。是非とも、そして今すぐにでも、DVDで、しかも千円出すべきですな。別にブルーレイでなくてもイイです。DVDで十分。それに日本語吹替えなんかも入れてくれなくて結構です。字幕で十分。別にジャケットやケースなんかも要らないです。ディスクだけで十分。別にピクチャー・ディスクにしてくれなくてイイです。単純に「激5」、これだけの文字で十分。別に店やネットで売っていなくても結構です。道端でオッケー。売り子さんも、別に美人で可愛いギャルでなくても結構です。その辺のオッサンで問題なし。どうですか、これで。とにかく、今すぐにでも観たいんです。どうしても観たいんです。取り敢えず一度だけでも観たいんです。何とか死ぬまでに観たいんです。と、繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、このように願っております。なので、どうかお願い致しますデス!)