


2本目は『荒野のSEXハンター』。なんちゅう映画だ! 本格ポルノならまだしも、こんな代物で未成年を追い返すだなんて。ウェスタンとしても、ポルノとしても最低も最低、大最低作品。[1/2]
3本目は『ラストシューティスト』。“死”という言葉が沢山出てくる。この映画自体、老ガンマンの“死”に直面したドラマであり、また、我々は、もうデューク=ジョン・ウェインがこの世にいない事を知っている。だから、そう感じるのは当たり前なのだが、それにも関わらず、あまりに沢山“死”という言葉が出てくる。この映画はデュークによる、我々ジョン・ウェイン・ファンに対するメッセージである。だから絶対にウェイン主演でなければならない。もしそうでなければ、この映画自体は駄作になっていたはずだ。ウェスタンとしては見せ場も少ないし、決闘シーンにも全く必然性が感じられない。ドラマ部分も平板でつまらなく、退屈である。ジョン・ウェインであればこその映画なのだ。彼自身、癌では死にたくなかった。どうせ死ぬなら、銃を持って、撃って、そして撃たれて死にたい。そう思っていたに違いない。しかし、実際それは無理な話である。だからこそ彼は、その自分自身の夢を、この映画に出る事によって果たしたのだ。西部男は、絶対にベッドの上で安らかな眠りにはつけない。それが彼の信条だったのである。この映画のラスト、バーテンに後ろから撃たれ、彼の銃でギロムがバーテンを撃った。そしてその銃を思いっきり遠くへ投げた。その時ブックスは静かに頷き、息を引き取る。あの頷きは、このギロム少年にだけは、俺のような死に様をさせてはならないと思っていたブックスの願いが、少年が銃を投げ捨てた事により通じた事への頷きだったのである。デュークの映画による初めてのメッセージが、今ではラスト・メッセージになってしまった。[満席、18:30に帰る]
帰りに梅田の東映プレイガイドで『ラストシューティスト』と『ニューヨーク→パリ大冒険』のパンフレットを買う。
夜、日曜洋画劇場で『痛快!ダイナミック・スピードアクション 狼どもの報酬』を観る。アメリカ映画ほどのスピード感やスリルはないが、コメディ調というか劇画調でイイ。特に中盤、ミレーユ・ダルクのベッドシーンなど、これは一体何の映画なのかと思ったぐらいだ。もう一人の殺人専門の男が面白い。そしてラストの二転三転ぶりも。
(この日も3本立て。だったんですが、通常は大劇名画座って、2本立てが基本なんですな。なのにこの日は何故か3本立てだったんで、ちょっと嬉しかったりもしたもんですが、実際は全然嬉しくなかったですな。というのも、2本目に上映された『荒野のSEXハンター』という映画が、どうにもこうにも、箸にも棒にもかからない超駄作で、実際、これは映画として成立していないんじゃないかと思いましたね。一見、ドキュメンタリー風の作りで、古き西部の時代、こんな残忍な事件がありました的なナレーションが入ったりするんですが、西部劇というのもおこがましく、全体的にほとんど動かない絵…静止画!…ばかりで構成されていて、合間に、どこから拾ってきたのか、西部劇風のコスチュームを着た男が、女をレイプするシーンがインサートされるという具合で、そのレイプ・シーンにしてからが、どうにも中途半端。ほとんど何も映らず、殴って倒してモゾモゾするだけという有様。ハッキリ言って、全然欲情させてくれませんでした。
一応“Wild West”という英語の原題が付けられていましたが、あくまでも邦題に合わせて付けられているだけで、実際の本編にはクレジットされないし、スタッフ&キャストのクレジットもなしという謎の映画で、上映時間も70分と短いし、まるで日本で再編集されたかのようなお安い作りだったんですな。当時の資料では、監督と製作がリー・H・ウィリアムとなっていたようですが、これもナンとも怪しく、恐らく架空のものでしょうな。一応、洋ピン館では公開された形跡がありますが、実際に観たら、全然ポルノでも何でもありませんでしたからなぁ。これ目当てに来た人は、ナンともガックリだったに違いありませんな。
しかし、もっと不可解なのは、何故これがこの日の上映の併映作になっていたのか、という事ですな。別に『アウトロー』と『ラストシューティスト』の西部劇2本立てでも十分だと思うのですが。っていうか、その方が絶対にアピール度大ですからな。6月に亡くなった、今までのアメリカン・ウェスタンを背負ってきたジョン・ウェインの遺作と、これからアメリカン・ウェスタンを背負って立つイーストウッドの最新西部劇。まるで、西部劇伝説が継承されたかのような2本立ての方が、この上映にはピッタリだと思う訳ですが、そこに何故に怪しい『荒野のSEXハンター』が…???
まぁ推測するに、『荒野のSEXハンター』は、洋ピンとしても体を成していないので、洋ピン館で上映するのは具合が悪い。でも、せっかく上映権を買ったので、どこかで上映しないと拙い、というのが映画館側の思惑で、そんな時に今回の西部劇2本立て。一応これも西部劇風だから、同じジャンルという事で西部劇の3本立てという様相で上映すればイイだろう…という甘い考えだったんだろうと思われますな。でも、そんなのを無理矢理観せられた観客がイイ迷惑で、しかもイーストウッドとジョン・ウェインの映画の間に挟みこまれているから、これだけを観ないで帰る訳にもいかないというのが、あまりにあんまり。
で、もう一つ問題なのが、上記の“こんな代物で未成年を追い返すだなんて”の件。実は、入場時に切符売り場で、「今日は成人映画を上映してるから」と、何人かの学生が、入場を拒否されていたんですな。ようするに、『荒野のSEXハンター』の体裁は、一応成人指定の映画になっていたので、映画館側は便宜上、未成年の入場を禁止するという措置を取っていたんですな。しかしこれもあんまりですな。こんな訳の分からない駄作の為に、イーストウッドとジョン・ウェインの名作が観れなくなってしまう訳ですからな。逆に言うと、映画館側も、大事な観客を逃してしまった事にもなる訳で、どちらにしてもイイ事はありませんからな。全くもってアホだと言いたいものですな。
ま、これも70年代ならではの、名画座の思い出ではありますな。で、実はこの日、この映画館で、こんな事件http://eiganomadogiwa.web.fc2.com/jiken5.htmも起きていたんですな。ナンともいやはや、ですな)