

(最近、谷啓さんとか小林桂樹さんとか、一時期の日本映画を支えた名優の方がお亡くなりになってますが、丁度、小林桂樹さん逝去の記事が大きく載っている新聞の片隅に、小さく小さく載っていたのが矢野宣さん逝去の記事でした。勿論、名優やスターという意味合いでは、小林桂樹さんの方が扱いが大きくて当然なんでしょうけど、ワタシとしては、この矢野宣さんがお亡くなりになったというニュースの方が衝撃的ではありました。
色んな映画やドラマに脇役として出演されてた訳ですが、ワタシとしては唯1本、『新幹線大爆破』で演じられてた商社マン役がとにかく印象に残ってますな。止まらない、いや、絶対に止められない新幹線に乗ってしまった乗客の一人で、「何百億という大きな商談があるので新大阪で降ろしてくれ!」と懇願する役どころ。で、止まらないと見るや、何とか電話で先方に状況を説明しようとするものの、新幹線内の公衆電話は長蛇の列。諦めきれない商社マンは、1万円札をチラつかせて、「これで電話を掛けさせてくれ~!」と叫んで列に割り込もうとするところを、列に並んでいた乗客の一人・伊達三郎に「商社は何でも金で買い占めようっちゅんか!」と一喝される哀れな役を切々と演じてましたな。で、凄いのはその後で、結果的に神戸にも、岡山にも止まれなくなった新幹線の車内で、「♪ビュワ~ビュワ~走る~!」と「夢の超特急の歌」を唄って発狂するんですな。言ってみれば、あの新幹線に乗合わせた乗客の心情を、そのままストレートに仮託されたのがあの商社マンの役で、それを見事に演じきった矢野宣さんの狂ったような演技が、あの名作の中でも光り輝いていたと、ワタシは思うのであります。
と、31年前とは何の関係も無い話でありました)