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 先日買った「キネ旬」の映画館案内欄を眺めていたら、中ノ島のSABホールで「アメリカ映画・監督特集」という催し物が開催されているのを知った。毎週の土日に、現代のアメリカ映画を担う監督の映画が2本ずつ上映されるというイベントで、ちょうどこの日がシドニー・ルメット監督特集という事だったので、イソイソと出掛ける事に。昨年の『オリエント急行殺人事件』もルメット監督で、もうすぐ新作の『狼たちの午後』も公開される所だったので、タイミングとしてはバッチリだった。上映されたのは、『ショーン・コネリー/盗聴作戦』と『セルピコ』の2本。

 まず『ショーン・コネリー/盗聴作戦』。1971年度の映画ですが、この手の映画が劇場(ホールですが…)で観られるとは思っていなかった。実際、ボクが洋画を見始めたのが74年ぐらいからだったんで、70年~73年ぐらいの映画が、一番エアポケットになっているんですよね。それ以前の古い映画は頻繁にテレビでやってくれているので、それ以後の70年代前半の映画が、なかなか観られないというのが現状で、それがちゃんと劇場で観られたという事に、まずは喜びを感じましたです。確か、これもまだテレビでは放映されていなかった筈で、こんな映画があったなんて、知りませんでした。わざわざタイトルに“ショーン・コネリー”という名前を持ってきている所に、劇場公開当時のコネリーの人気の度合いが計り知れるというもので、凄いですね(007で言うと『ダイヤモンドは永遠に』の頃でしょうか)。犯罪サスペンスものなんですが、ちょっとストーリーが入り組んでいて、頭の悪いボクには分からない所も多かったです。後半になって、やっと面白くなってきた…という感じでしたが、シドニー・ルメット監督は、社会派と呼ばれているせいもあってか、この手の題材には不向きなんじゃないかと思いました。昨年の『オリエント急行殺人事件』にも出ていたマーティン・バルサムの役が面白かったです。(後にテレビ放映で観直したら、もっと面白く感じました…エヘヘ)

 続いて『セルピコ』。2年前に劇場公開されていた映画で、噂では名作と呼ばれていた実録の刑事ドラマ。さすがはルメット監督と言ってもいいぐらいの映画で、正義感に燃える孤独な刑事の思いがヒシヒシと伝わってきました。ただ、途中でちょっと眠くなってしまったのが玉にキズ…。ミキス・セオドラキスの美しい音楽が印象的でした。

(あとで知った事ですが、この催しは、全大阪映画サークル協議会という所が運営しているイペントで、ここは大阪で活発に自主上映活動を行っている協議会なんですな。毎月2回、会報も発刊していて、付録として大阪の映画館の詳しい上映予定表が付いていたり、会報の定期購読者には、映画チケットの格安販売…上映が始まって通常では購入できない特別鑑賞券…なども、事務局へ行けば購入できるという特典もあり、当時は重宝したものです。ワタシも確か、次年度辺りから、定期購読してその恩恵に授かっていたっけ…。懐かしいですな。因みにこのイベントは、76年の年末まで行われていて、この後も、こういった同じ監督による2本立特集を何度か観に行きました。ほとんどが70年代前半の映画だったという辺りも、惹かれた要因ではありましたね。恐らく、ワタシと同年代の方々は、このイベントで映画を観たという人が必ずいる筈です。名画座の殿堂・大毎地下劇場を左手に通り過ぎながら、そのさらに奥の中ノ島のSABホールへで通った方が、きっと何処かにいる筈です。それとも、そんな特異な人間は、この世でワタシ一人なんでしょうか…。嗚呼…)