さあ、4月です。年度初めとはいえ、年末年始のような休みがあるわけでなく、昨日の自分がいきなり今日変わることはなのに、新年度で「さあ!」と言われても昨日と変わらぬ。むしろ年度末の仕事が、ちゃんと年度を越して追いかけてくるあたり、数字上の話であって、「新」という感じがない小生です。

皆さんの周りの方々はいかがでしょうか。出会いと別れの季節。昨日の同僚が明日の上司・・・。まあ、色々ですね。

さて、今回はシン年度にふさわしい?生きるって何?ということを考えさせられる作品で黒澤明監督の「生きる」のリメイク作品です。黒澤明監督作品の中でも小生のお気に入りの作品なので、嬉しいやら不安やらを思いながら鑑賞して見ましたが、いやはや心配に及ばず楽しめました。
小生の感覚的なところで、イギリス制作というのも好ましい感じです。
イギリスの少し靄がかかった風景が、なんとなく「生きる」の世界観にあっているなあと思っていたら、バッチリあっていました。

「生きる」を初めて見た時に、頬に流れるものを感じましたが、字幕でみたのでニュアンス的なものなのか、哀しい気持ちにはなるものの涙するまでは至らなかったのは、やっぱり言葉のせいだろうか?それとも文化というか背景の違いなのか?

どうしても比較になってしまうのは致し方がないのですが、黒澤明監督のは、泥臭い感じでがむしゃらにやる主人公像で、イギリス版は背筋がピッとして紳士的なよさがあります。どちらもかっこよいですし、世界観とかストーリーを壊してないので、良さが噛み合ってます。

また、日本版のオマージュされたシーンもいくつかあったりするのですが、そこがかっこよいので、なんとも言えない感じ。というのも、日本版ではちょっとコントチックなクスッ笑うシーンなのですが、それすらもスマートで紳士的ななので格好良く見えてしまう。
たぶんコントチックにすることで、お役所仕事を皮肉った部分でもあるので、そこが格好良くなってしまうのはどうなん?とも思ったけど、イギリス版の皮肉った演出を小生が受け止められてなかっただけなのかもと反省。

幼少の頃に、黒澤明監督作品を片っ端から見ていた時は見ることに満足していたので、あんまり意味がわかっていなかったのが事実でしたが、大人になって、社会人になって見た時にはだいぶ印象が変わり、マイフェバリット作品になりました。この作品も子供とか誰かと一緒とかではなく、仕事とか色々なことで疲れている時に、目的を見失っている時に、一人で休日前の夜に、軽く飲みながら見ることをオススメしますって話。