梅雨。なんだか雨ふりの合間は、夏のにおいがして、台風なんかもきていて、もはや季節ってなんだ?という陽気が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。季節病みたいなものもあると聞きますし、小生は低気圧になると古傷の膝が・・・。皆様も養生くださいませ。

 

さて、今回は2003年のドイツ映画です。内容は、東西ベルリンの統一にまつわるドタバタと家族の物語。社会主義からの生活から資本主義へとかわっていく世間とそれに取り残されて困惑する模様をシニカルな笑いを含めて物語っています。

 

小生の幼少の頃は、ドイツという国は二つの国でベルリンも東西に分かれていました。第2次大戦の影響というやつです。それが当たり前の世界地図を片手に学んだことを今でも覚えています。そんでもって、当時はあんまり理解していなかったですが、ベルリンの壁を壊す民衆の姿は鮮明に覚えており、なんだか戦争がやっと終わったと感じた。海の向こう側でこのような感じ方をするのだから、実際に暮らしていた人々は戸惑う人もいれば歓喜する人もあったことでしょう。

 

そんな、状況を家族の視点を交えて伝えてくれるので、脚色はされているものの分かりやすい教材とでもいう感じです。

 

ストーリーは、とある理由でベルリンの壁崩壊時に寝ていた母を思って、突然変わることのではなく、いまでも寝る前と同じ国であるかのように取り繕う家族が、あらゆる手を使って、東西統一を母に知られないようにする話です。

 

当時、宣伝でも使われていたレーニン像が空中を舞う姿は、この映画の象徴的なシーンです。みどころは、母思いの家族とそれに巻き込まれていく周囲の人々の思いや葛藤が面白おかしく描かれています。

 

映画は大いに面白かったですが、見終わった後は色々と考えさせられます。もしも、日本が半分になっていたら・・・なんてことを考えると、東日本と西日本とでね。野球は6球団・・・いやいや野球どころではない。本当に背筋が凍る。対岸火事ではなかったことを思うと他人ごとではないし、現在も同じおうなことがお隣の国では起きているわけです。目に映るものがすべて真実ではないにしろ、目に映ったものの真実はほんの入り口ってこと、ニュースでは10分しか伝えていなくても、そこに日常がある人たちもいるってことが大変な学びになった。

 

もしも、小学生高学年から中学生のお子さんがいらっしゃるなら、一緒に見て感想を聞きながら解説をしてみて、今の夜中を語らったりするきっかけにする映画としていかがでしょうかって話。