矢口監督作品。最近は精力的に、定期的に作品を作っているようでファンとしてはありがたい話です。最近は諸事情により劇場に足を運べずにいて、残念な限りです。
そんな時は衛星放送という画期的なものがありまして(笑)
そんなかんじでやっと見ることができました。
矢口作品というのは本当に時代をシニカルに表現していながら嫌味な感じでなく、なんか見終わったあとはハッピーな気分にさせてくれる魔力があります。そこがいいといえばいいんですけどね。
あとは、キャスティングが笑えるのです。ただ、有名人を使うのではなくて、その人の個性を生かすような感じがします。まあ、ファンなのでそのあたりは大目に見てください。
さてはて、今回の作品ですが、いままでのムーブメントを作るような作品と比べてこじんまりとしているような感じもしますが、逆に矢口エッセンス的なものが見られて、ぽいなって思いました。
主人公は老人というところもそうですが、大体において、主人公はさえなことが多いのです。それだけで終わらないところがいいのです。
マイナスからスタートして、結局はスタートラインに立つというところが、矢口さんの作品であって、決してファンタジーだけでなく、ピンチをチャンスに変えるというか、壁を越えて、スタートラインに立つまでの人間模様が何とも不思議です。
それと、汗臭いことをしているのに、それを汗臭い感じに見せないのも、矢口さんのところ。代表作品の学園青春ものにしても、努力している部分も楽しんじゃおう!的なものが見えます。盲目に努力するのがいけないってわけじゃなくて、苦しいときほど笑ってみようみたいなことがうかがえます。一生懸命だからこそ笑えるというか、ほかの人から見ると「何をやっているのか?」と思えるほどのわえるのです。それは一所懸命だからゆえに面白いということなんです。
しかしながら、ファンタジー色が強いのに、なんだかリアルティがあるのは、それは、くだらないリアルが組み込まれているからじゃないかと思えます。たとえば、ロボットになることを了承する老人。考えてみれば、こんなことは簡単に了承できるもんじゃないし、簡単にうまくい分けないし。しかし、そのうまくいかない具合をまったくもって日常に起き得ることに置き換えて、ファンタジーをうまくリアリティのあるものに仕上げることができる技がすごい。
そりゃあそうだ。ゴーストライターだって、いつまでもゴーストライターでいないのだから「あれって俺が作ったんだよ」って誰しも言いたくなるものです。それをただいうのじゃなくて、悲しさとか、葛藤とかの中にあるとかいうと重たくなるのですが、それを(笑)に変えてしまう。それってすごくない?
まあ、ファンだからべた褒めになってしまいますが、ガールズや、ボーイズにはない、なんとなく身近な感じというか、久しぶりにの矢口ワールドって感じでした。このまま突っ切ってください。
今度は林業だって?これもまた楽しみだったりするわけです。
今度は、どんな仕掛けがあるかな。
なんといってもラストのところで、ほんわか、見終わり感がとてもいいのが矢口作品の特徴。後味がビターな作品も多いですが、ほんのり甘さの微糖ななラストもご覧あれって話。