【クロムエキセルレザー】を履くということ | EMPTY GARAGE "El Camino" BLOG 

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Howeenレザー

HORWEEN社のクロムエキセルレザーが人気です。国内外のあるゆるブランドが、競うように商品に採用しています。

EMPTYGARAGEも、昨年シーズンにつづいて今年もクロムエキセルレザーのブーツを主力として店頭に並べています。通常のオイルドレザーに比べて、店頭に並べたときのヴィンテージのような雰囲気が素晴らしく、ブーツ初心者の方でも思わず通常のオイルドレザーよりもクロムエキセルレザーのほうに手が伸びます。

【クロムエキセルについてはこちらを -PC用】
http://emptygarage.jp/SHOP/g115037/list.html

しかし、通常のオイルドレザーにももちろん優れた点があります。しっとりとしたヴィンテージレザーのようなクロムエキセルに対して、耐久性が高く、傷にも強いためバイカーの方や、お仕事でブーツを履く方にはおすすめのレザーです。

クロムエキセルは、革の表面付近までしか染色されておらず、表面が柔らかいので、実は傷が入りやすいという特徴があります。歩いているときに、何かに当たると傷がついてしまった経験のある方も多いはずです。革も腰が柔らかいので足馴染みも早いのですが、大きなドレープもできやすい。 メンテナンスをしないと「経年変化」させやすく、6ヶ月ほどでUSED感あるヴィンテージ風ブーツを作ることも可能・・・・・

丁度、お客様に納品して約6ヶ月のセミドレス(ブラウンクロムエキセル)がヒール交換で修理に入ってきました。鹿児島のKさん所有のブーツです。かなりの頻度で履くらしく、歩き回るようなのでブーツの痛みも早いようです。何かの本に「クロムエキセルレザーは、あまりメンテが必要ない」と書いてあったらしく、あえてほとんどメンテナンスはしていないとのことです。ヒール交換も今すぐ必要ではありませんでしたが、早めに交換することになりました。

セミドレス(ブラウンクロムエキセル)

セミドレス(ブラウンクロムエキセル)

正直、ちょっと革の痛みが激しいです。やはり、クロムエキセルレザーはこまめなメンテナンスが必要です。可能ならば、履いたあとは傷の有無の確認は必要です。ヒール交換の修理に出す前に、お客様の前で「家庭でできるメンテナンス法」をアドバイスすることにしました。

セミドレス(ブラウンクロムエキセル)

使用するケア用品は、当店が推奨するフランス製の「SAPHILE(サフィール)」です。

1)大きめの「ホースヘアブラシ」(馬毛)で、ホコリ・汚れを払う
2)万能ローションである、「ユニバーサルレザーローション」を、キッチンペーパーや布切れに適量をとって、汚れをとりながら保湿もしてあげる。
3)クロムエキセルレザーの表面を保護し、適度な光沢感を与えるために、無色ファインクリームアプライブラシで塗ってあげます。(カラー系のクリームでももちろんOKです)
4)仕上げに、もう一度「ホースヘアブラシ」で良いツヤがでるまで、磨いてあげます。

ホワイツシューキーパー

5)ホワイツ社シューキーパーを挿入すると

セミドレス(ブラウンクロムエキセル)

セミドレス(ブラウンクロムエキセル)

どうでしょうか? この間、5分も掛かっていません。カカト周りは完璧にケアしていませんが、経年変化を残しながら、適度なツヤを与え小綺麗なブーツになったと思います。靴ひもを変えて、ソールのエッジを薄く削ればさらに良くなるでしょう。

ちなみに、私も10月上旬にセミドレスを1足購入しました。
セミドレス(ブラウンクロムエキセル)

履いた後は必ず「シューキーパー」を入れて、先程の「家庭でできるメンテナンス」を施しております。
セミドレス(ブラウンクロムエキセル)


そもそも、クロムエキセルレザーとは・・・・・・・

コンビ鞣し(原皮に牛脂、蜜蝋、魚脂等、4種類の油脂をブレンド)したオイルを塗りこみ皮革に浸透させた牛革になりオイル分が多く、しっとりとした質感が特徴で経年変化を堪能できるレザー。

写真でご説明いたします。

まずは断面から。上が通常のオイルドレザー。下がクロムエキセルレザー

クロムエキセルレザー

革の裏面(ラフアウトレザー)
左がオイルドレザー。右がクロムエキセルレザー

クロムエキセルレザー

ご覧になって頂けると分かりますが、表面しかブラックに染められれていないのがわかります。レザーに深い傷が入ると、このナチュラルブラウンが露出してしまいます。

そんなときは、下記のような粘度のたかいブーツオイルを、指先で革の傷に塗り込み、しばらくしてから、レザーと同色のファインクリームを、アプライブラシで補色してあげると良いでしょう。

ブーツオイル

ブーツオイル

ファインクリーム

こんな感じで、クロムエキセルレザーは少々手が掛かるレザーなのですが、もちろん通常のオイルドレザーもケアは必要ですので、特別大きな差があるわけではありません。

それでも、今クロムエキセルレザーがなぜ人気かと言えば、やはり店頭で並べて置いてあると、クロムエキセルレザーのほうが質感が良く見えるからではないでしょうか。そして革の断面がブラウンなので、ヴィンテージ感をも感じられる点も挙げられます。

革表面の比較です。こちらの革は、VIBERG社のものです。VIBERG社のレザーのクオリティーは、かなり安定しているので販売店としても安心してカスタム受注できます。

左はオイルドブラック。右はクロムエキセル
クロムエキセルレザー

別角度から左はオイルドブラック。右はクロムエキセル
クロムエキセルレザー


どうでしょうか。質感の違いを感じられましたでしょうか?最後に、WHITE'S社の兄弟ブランド「HATHORN」のOXFORDで比較をしてみましょう。

オイルドブラック

クロムエキセルレザー


どちらがお好みでしょうか?

販売する方としては、どちらの革が優れているというのはありません。「今のお客様には、こちらの革がマッチするんじゃないでしょうか?」というご提案をさせて頂いております。

WESCO、WHITE'S、VIBERGブーツ、全て素晴らしいハンドメイドブーツです。それぞれ特徴があり、フィット感、カスタムオプションの選択肢、トータルでの雰囲気などが異なります。

ですから、「今の私のスタイルには、これがマッチする・・・・」 「今から目指そうとしているスタイルには、このブランドの、このブーツが合いそう・・・・」という具合に選ぶことを推奨しています。


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