抽象が抽象で終わることに僕の問題の全てがあるんだ。ぼんやりとは分かる気がするのに、それを何ひとつ現実味を帯びたものに置き換えられない。
抽象的な表現。それそのものは言葉としていくらかの具体性をもつけれど、僕にはそれすらできない。正体を掴めない。何も知らない。どこにも行けない
抽象画家の自画像。
自己言及の矛盾。
しかし自己の思考は自己によってのみ行われるという二重矛盾。
「命題1。世界はどこにあるか」
僕は声に出してそう言ってみた。だが命題2が思いつかなかった。
命題1による命題1の考察。自己言及。どこにも行けない。
僕はバランタインを3センチだけ、一口で飲み干した。熱い感覚が胸にもやもやと広がる。言い表せない感覚。抽象。ちゅうしょう。