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師走


23日
一足も二足も早く仕事納め
碌に仕事も出来ないくせに
漸く解放されたと
群青のヨルに白い溜息を漏らす

狭く入り組んだ路地に吸い込まれて
脳に組み込まれた方角へ
覚束無い足を機械的に進める

カツカツと必要以上に響く固いソール
サワサワと擦れるスーパーのビニール袋
ループするリズムが脳をスロゥにさせる

ぼんやりとしたなづきで
やっぱりあたしは
一生社会に適応出来ないんだ
結論が出た瞬間
頭上に大きな信号機が現れて
もう家の前の通りに辿り着いてた

薄暗い白熱灯の下、
何ヶ月か振りに爪を艶で濡らす
長いブランクのせいか
手の震えのせいか上手に濡れない
缶酎片手に翌朝まで格闘
すっかりシンナー漬け

24日
朝から宙は透き通った薄い水色
雪が降らない冬は初めてで
なんだか不思議な感覚
だけど空気はちゃんと冷えてて
空が澄んでる理由を思い出す

唯唯単純に
嬉しかった分だけ
反省すべき所が多過ぎて
兎にも角にも
優柔不断と肥満を治せなきゃ
死んだ方が善いと心底想った

**を隠れ見つつ独り
丁寧につまみまで作って飲んだくれる
勝手に焼いたジャムパン齧って舌鼓
無意識フェードアウトで
結局炬燵で絶えた迷惑な娘

25日
朝っぱらから幼稚園児の様にいじける
ホールケーキをぺろりで機嫌回復
本当に如何仕様もない

そう、毎日今日こそと
部屋の片付けを試みるのに
一向に終わらないよ

入浴序でにユニットバスを
掃除してみた、全裸で
天井の水玉に手が届かなくて
背が伸びないかなぁと想いながら
風呂桶に足を掛けて豪快に磨いた
滑って転けて救急車でも来よう物なら
唯でさえ危ういのに更に嫁に行けない

ふと思うのが最悪な想定は
大体実際には起こらない
そう想わないと哀しくなるから
最悪な想定は事前にしておくの

さぁさ、
還る準備
孵る準備