こんにちは!江森奈々です。



今日ご紹介する作品レビューはこちら↓

 

 


___________________________


『こやたちのひとりごと』
谷川俊太郎/文
中里和人/写真
アリス館 
2023年年6月14日刊


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


山里や田んぼ、海辺など、身近な場所に佇んでいる小屋。


私自身も小学校に通う通学路で、

錆びたトタンでできた小屋を

よく見かけていたなと思い出します。

 

当時は「ボロボロだな~」と思いながらも、

素通りしていたように思います。

 

きっと皆さんもこれまで視界には入っていても

特に意識しないできた

小屋があるのではないでしょうか?

 

今回ご紹介する絵本は、

そんな小屋にスポットライトを当てた作品です。


小屋たちがもし人間と同じように何かを感じ、

ひとり言を言っているとしたら、

どんなことを言っているのかな?

 

想像の中で繰り広げられるひとり言の数々。

それらを聴いていると

なんだか可愛らしくて笑みがこぼれてきます。


ある小屋は、いろんな種類のあり合わせの板を

パッチワークのように継ぎ当てられた姿。

その小屋は「僕を立ててくれた人はえらくない」

と言っています。

 

山里にポツンと立っているテントのような小屋は、

「さびしくない、お日様が照ってるし、小鳥もくる」

と言っています。


「人が入ってくるとくすぐったい」、

「鍵をかけなくても風や子どもたちの遊ぶ声が入ってくる」

そんな風に感じている小屋たちもいます。

 

それぞれ小屋の姿形によって性格も違い、

感じ方もまちまち。

 

「いつだってここにいるよ」

と自己主張している姿もまた愛らしい。


谷川俊太郎さんの感性から紡ぎ出される

ユーモアに満ちた言葉と、

中里和人さんの現実世界を切り取った

リアリティのある写真が見事に織り交ぜられ、

一つのハーモニーを生んでいます。


私たち日本人は古来から伝わる

アニミズムの精神が心の根っこの部分に

息づいているように感じます。

無機物にも魂があり、

生きているという感覚があるからこそ、

こういった想像の世界を楽しめるのだと思います。


普段見過ごしがちな物たちも精一杯生きている。

そんな風に思えてきます。

身近にあるものにもっと目を向ける

きっかけになるかもしれません。

そういった感性をいつまでも忘れずに

残していって欲しいと思います。


想像の世界を取り入れることで、

日常がより楽しいものに変化します。

 

あなたの住む地域にもきっといろんな小屋があるはずです。

 

親子でそれを探す楽しみから始め、

さらにどんなひとり言を言っているのかも

一緒になって想像してみてはいかがでしょうか。

 

何気ない道のりがそんな親子の会話で

より一層豊かで楽しいものになるでしょう。

___________________________

 

☆毎月1回☆※お休みする場合もあり

新作の嵐HP「絵本・童話の創作Online 新作の嵐
の「作品レビュー」のコーナーにて

作品レビューを公開しています。

良かったら過去のレビューも

合わせてご覧ください。

 

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
 

最後まで読んで下さりありがとうございます。
 
愛を込めて
 
いつもありがとう
今日もあなたに沢山の愛と幸せが
降り注ぎますように

 

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
 

いつでもお気軽に
フォロー大歓迎です✨(*´▽`*)

フォローしてね!

 

◎オリジナル作品(額装絵画)を販売中!

新作の嵐ストア

 

※売上の一部は恵まれない方々に寄付されます。


◎絵本作品やイラストも公開中!

Instagram「nana_museum」

note

You Tube「7’s BOOKSHELF」

WEBサイト「絵本・童話の創作Online 新作の嵐」