今日はチコに誘われて、兵士達と一緒に釣りをした。
食料の自給という意味では有益なのだろうが、私に下らない仕事をさせないで欲しいものだ。
「釣りって結構楽しいよ」なんて言われても困る。
私はここに遊びにきたわけじゃない。
とはいえ、正体を悟られないためには、適当に付き合わなくてはならないのがつらいところだ。
チコに押しつけられた釣り竿を持って甲板に出ると、集まっていた5人ほどの兵士が嬉しそうに歓迎してくれた。
マザーベースでは男が圧倒的に多いだけに、私はまるでお姫様扱いだ。
10代でも学生でも無いことを、誰も疑いもしない。
今日は良く晴れていて、風も波も穏やかだった。
釣り竿を投げて魚がかかるのを待つ間、最初は兵士達にいろいろと質問をされた。
私はいつもどおり、決められた設定に基づいて答えを返して、愛想笑い。
適当にごまかしているうちに魚がかかり始め、兵士達もその対応に追われ始める。
チコが魚にエサを取られ、怒って立ち上がったときに海に落ちそうになって、みんなが笑った。
そのときは私もつい噴き出しそうになってしまった。
しばらくして、私の釣り竿にも魚がかかった。
軽い手応えを感じた次の瞬間、驚くほどの力で糸が引っ張られ始め、私は驚きの声を上げてしまった。
かなりの大物だと思われた。
初めての経験だったので、少し焦っていると、隣の兵士が後ろから支えて
くれた。
この水面の下には、どんな魚がいるのだろう?
私は少し、訓練のときに潜った海を思い出した。
あの頃も幸い日々ではあったが、優雅に泳ぐ色とりどりの魚たちには、不思議と心癒されたものだった。
格闘の末に釣り上げた魚は、意外にも半バーラもなく、少し拍子抜けだった。
だけど遊びでやっているわけじゃないから、別に悔しくなんてない。
ニュークが物欲しそうな顔でうろうろしていたので、釣った魚はくれてやった。
さんざんな一日と言っていいだろう。
今日からあの男のマザーベースに住まわせてもらうことになった。
私にとっては、これからが本当の戦いだ。
私ザドルノフに寄宿舎と奨学金を提供してもらっていたけれど、そのザドルノフは捕らえられてしまった。
KGBからの資金が流れてこなくなった以上、学校に通うことはできない。
…そんな嘘にあの男は同情し、マザーベースで働きたいという私を受け入れてくれた。
ミラーがなぜか強く押してくれたと言うものもあるが何にせよ愚かな男だ。
部下の兵士達も低脳揃いだ。
訓練などして力を得ているつもりらしいが、そんなものは真の力の前には無に等しい。
おまけに10代との女子学生という肩書きだけでチヤホヤしてくれる。
おかげで仕事がしやすそうだ。
先ほど居住区を偵察していたところ、甲板の片隅で兵士達が盛り上がっていた。
近づいて様子を見ると、猫にエサをあげているところだった。
「可愛いなぁ」なんて、いい歳した男たちが何をしてるんだか…。
呆れつつも、同意を求められたらうなずくしかない。
役割を演じる必要がある。
適当に話を合わせていると、兵士の1人が猫に名前を付けるように求めてきた。
親離れしたばかりで、まだ名前も決まってないらしい。
私はその子猫に「ニューク」という名前を付けてやった。
「生き物を思いやる気持ちが戦争への抑止力になる」なんて、心にもないことを言いながら。
兵士たちから貰った小魚を手のひらに載せると、子猫は嬉しそうにそれを食べた。
なんて愚かで…無力なのだろう。
虫酸が走る。
私にとっては、これからが本当の戦いだ。
私ザドルノフに寄宿舎と奨学金を提供してもらっていたけれど、そのザドルノフは捕らえられてしまった。
KGBからの資金が流れてこなくなった以上、学校に通うことはできない。
…そんな嘘にあの男は同情し、マザーベースで働きたいという私を受け入れてくれた。
ミラーがなぜか強く押してくれたと言うものもあるが何にせよ愚かな男だ。
部下の兵士達も低脳揃いだ。
訓練などして力を得ているつもりらしいが、そんなものは真の力の前には無に等しい。
おまけに10代との女子学生という肩書きだけでチヤホヤしてくれる。
おかげで仕事がしやすそうだ。
先ほど居住区を偵察していたところ、甲板の片隅で兵士達が盛り上がっていた。
近づいて様子を見ると、猫にエサをあげているところだった。
「可愛いなぁ」なんて、いい歳した男たちが何をしてるんだか…。
呆れつつも、同意を求められたらうなずくしかない。
役割を演じる必要がある。
適当に話を合わせていると、兵士の1人が猫に名前を付けるように求めてきた。
親離れしたばかりで、まだ名前も決まってないらしい。
私はその子猫に「ニューク」という名前を付けてやった。
「生き物を思いやる気持ちが戦争への抑止力になる」なんて、心にもないことを言いながら。
兵士たちから貰った小魚を手のひらに載せると、子猫は嬉しそうにそれを食べた。
なんて愚かで…無力なのだろう。
虫酸が走る。