ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

サムネイル

 

前のお話

下矢印


命の現場で、心身ともに

くたくたになるほど働いてた。

 

それでも、若かったから

回復力もあった。

 

休日には、彼といろんなところへ出かけ

束の間の時間を楽しんだ。

 

彼に、今までの私のことを

すべて話したわけじゃなかったけど

一緒にいる時間が

楽しいだけでよかった。

 

そんな私たちに転機が訪れた。

 

妊娠したのだ。

 

 

新しい命を授かったことは

本当に嬉しかった。

 

この高揚した感情は

今までに経験したことが

ないものだった。

 

その時、私は卒後1年め。

 

卒後3年で

やっと1人前になれると

いわれてた時代。

 

新卒での妊娠・結婚は

上司や先輩から

嫌味を言われることも多かった。

 

今時なら、明らかな

マタハラやパワハラ。

 

けど、あの時代は

そんなことは普通に行われてた。

 

 

「妊娠は病気じゃないんだから」

 

 

何度、この言葉を言われただろう。

 

そして、結婚に向かって

いろんなことが進んでいき

私は、新しい生活に希望を持っていた。

 

今度こそ

幸せになりたいって。

 

そんな時期

ふと思い出した言葉があった。

どこで読んだのかも忘れたけど。

 

「結婚は社会に祝福される家出」

 

まさに、そんな感じかも

しれないと思った。


一応結婚式はあげた。


けど、ほとんど記憶には残ってないし

すぐに離婚したので

写真も残ってない。


ただ、衣装合わせで

チョーカーをつけられた時の

恐怖だけは、今でも覚えてる。


そして、私たちは

新しい生活を始めた。

 

けど、結婚生活の始まりは

甘くも、優しくもなく

最悪の始まりだった。

 

 

次のお話

下矢印