ようやく緊急避妊薬のオンライン診療を巡る第4回検討会の議事録(P.15〜)が公開されました。


まず冒頭から「若い産婦人科医が若い方たちの健康を守っていく。それができていないのにオンラインというのは...」と軽くワンパンチ!

「犯罪であるとか性暴力に遭った方たちというのは本当に緊急性が高いので、今すぐにでも何らかの対応をとらなければいけないと思うのですけれども、そうではない方たちに...」とまたパンチ!


そしてその先は、医学的根拠がない話が出てきて混乱必至なので、
以下の基本事項を共有してからお読みください!

*緊急避妊薬は日本で処方箋医薬品であり、現在、対面診療において、特に研修もなく診療科を問わず処方できる。

*処方するときに必要なのは基本的に問診のみ。(内診しません!)

*安全性が高く海外は薬局でも購入できる。
(1周期に繰り返し使用しても有害事象は報告されていない。万が一妊娠中に使用しても胎児に害はない。)

*WHOは「意図しない妊娠のリスクを抱えたすべての女性および少女には、緊急避妊にアクセスする権利があり、緊急避妊の複数の手段は国内のあらゆる家族計画プログラムに常に含まれねばならない。」と勧告している。

*処方3週間後の受診は必須ではない。
日本のガイドライン上→「必要に応じて来院」
WHO→医学的管理下におく必要なし
FIGO(国際産婦人科連合)→フォローアップ受診不要
(もちろん市販妊娠検査薬で陽性ならば受診を)

*男児の女性化の報告はない。そのリスクを否定する論文も複数出ている。

*妊娠しているかどうかは自分で市販妊娠検査を買って、尿をかけるだけで陽性か陰性かわかる。(超重要!笑)

*性暴力被害だけでなく、同意ある行為でコンドームが敗れた場合も、なるべく早く72時間以内に内服する緊急性がある。

*私は日本産科婦人科学会員、日本産婦人科医会員ですが、会員の総意を求められる機会があったか知りません。

読んでいただける場合、注目していただきたいところにマーカーひいたらマーカーだらけになってしまいました_φ( ̄ー ̄ )



大変恐縮ですが、ご発言を簡単にまとめさせていただくと。。

*性暴力被害者は緊急性が高いが、そうでない方は...

*高度な知識を有する熟練した産婦人科医が処方すべき
*他科が処方する場合は非常に厳しい研修を課すべき
*男児が女性化するリスクがある(危険な薬?)
*問診のみで処方することがそもそもリスク
*内診と妊娠確認をしてから処方すべき
*若い人は妊娠を誤認する
*処方3週間後に受診させるのは必須にすべき
*「次からはちゃんと避妊しなさいよ」と指導

混乱したら、上記を見返してください。

4/24に検討会を傍聴してこの議論を生で聞いて衝撃を受けました。
まず検討会メンバー、20人中女性1人。
医学的根拠を全く示していただけないご発言。
通常の臨床ではありえないご発言。

産婦人科医はなにをするためにいるのでしょうか。
日本には日本の事情があるからとでも言ってればいいのでしょうか。
恥ずかしさの限界はいつ迎えるのでしょうか。
もうすぐ東京オリンピック!( ´ ▽ ` )

女性の健康のための産婦人科医でありたいです。

※5/16 17:00-19:30に
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