先日、ローランドのオルガンVK-7の分解補修をしたので、備忘録代わりに。
同じ症状で悩まされている方に少しでも参考になれば。
1997年に発売されたローランドのオルガン、VK-7。
発売からほぼ20年が経とうとしているのだが、ここにきて(というか以前から)
ある問題が出ていた。それが
「鍵盤裏から謎の分泌物が垂れてくる」というもの。
プラスチック製鍵盤の裏面部分には、鉄製と思われる重りが接着剤で貼りつけられている。
多分これがあるおかげで心地よい打鍵感が得られるのであろう。
しかし、この接着剤が経年劣化で粘着力が落ち、ドロドロと溶けだしてくる。
これが謎の分泌物の正体。とにかく厄介な代物なのだ。
楽器を立てかけて保管しようものならこの接着剤のせいで鍵盤全てがくっついてしまうありさま。
水飴のようにドロドロに見えるが、結構固くて取れない。埃を巻き込んで汚くなる。
ちなみに、駄菓子屋で売ってる「バルーンふうせん」のような色、においがします(苦笑)
今まで垂れてきた接着剤を拭き取るという対処療法しかしてこなかったのだが、
遂に接着剤で固定されていた重りが外れてきてしまった。
重い腰を上げて、根本的な補修を行う事にする。
まずは底面パネルを外す。
![分解1](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/a5/00/j/t02200165_1030077213714040844.jpg?caw=800)
鍵盤部裏面の拡大写真。ドロドロに溶けた赤色の接着剤が見える
![鍵盤裏](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/ed/63/j/t02200165_1099082413714040843.jpg?caw=800)
本体から鍵盤ユニットを取り外す。
![鍵盤ユニット](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/d0/eb/j/t02200165_1030077213714040845.jpg?caw=800)
鍵盤ユニットから、一つづつ鍵盤を取り外していく。鍵盤可動部にはシリコングリスのようなものが塗られているので、拭き取ってしまわないように注意。
![鍵盤分解1](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/c7/03/j/t02200165_1030077213714040846.jpg?caw=800)
外した後の基盤部にも、ご覧のとおり接着剤が垂れてきている。
この時代のシンセでは、結構同じような症状が出ている個体も多いようです
![飛散跡](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/d4/2e/j/t02200165_1030077213714041669.jpg?caw=800)
鍵盤を外したら、垂れている部分など軽く接着剤を除去する。
完全に綺麗にするには膨大な労力が必要なので、あくまでも軽く。
![鍵盤補修前](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/43/5f/j/t02200165_1030077213714040847.jpg?caw=800)
グルーガンで古い接着剤ごと樹脂で固めてしまう事にした。
可動部分に樹脂が付かないように注意する。
![グルーガン](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/a3/8c/j/t02200165_1030077213714041667.jpg?caw=800)
見た目は汚いが、裏面なので問題は無い。黒鍵白鍵全てこれを行った。
![鍵盤補修後](https://stat.ameba.jp/user_images/20160803/17/emmonuelle/57/62/j/t02200165_1030077213714041668.jpg?caw=800)
その後元通りに組み立てて補修完了!
特別な技術は殆ど必要ありません。グルーガン1本とドライバーがあれば直ります。
困ってる方は参考にしてください