お正月はとうに終ったけれど、黒豆が残ってたので、
きょうは、部屋でメールのお返事などを書きながら、
コトコトと炊いてみました。
オットと酒の肴に黒豆食べて、お正月気分を再び・・・。それがツマの野望・・・?
・・・ってなわけで、きょうはそのお正月に読んだ本の中の一冊についての感想など。
ヴィヨンの妻 (新潮文庫)/太宰 治
¥380
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いまさら・・?ってカンジの太宰の名作ですので、読んだ方は多いですよね。
松たか子ちゃん主演で映画にもなったしね。
でもワタシは映画も見てないし、読みたいと思いつつ、何となく忘れてた一冊だったので、
年末に本屋さんで、何故か急に思い出して(笑)おおそうだ・・と。
どのお話も、予想を裏切る事なく(?)
やりきれなかったり、どうしようもない・・という感じが否めないお話なわけですが、
表題作の「ヴィオンの妻」だけは、
その「どうしようもない感」が、逆に強烈に良くて、
思いがけず、大好きな作品になりました
飲み屋でツケで飲みまくって、おまけにお金盗んで、浮気して・・・って
どうしようもなさ、ここに極まれり・・って感じのオトコと、
そんなオトコのために、アレコレさせられる事になるツマ・・という、
一般的に言うと、まさに、どうしようもないような夫婦のお話なんだけど、
なんだか、そのふたりがユーモラスというか、いい関係?というか。
確かに夫のせいで、どうしようもない状態になってるんだけど、
別に夫を恨んで鬱々とするわけでもなく、それどころか
何だか知らないけど、どうしようもないまま、行き当たりばったりで
夫と幸せに生きる方向性を見いだして、イキイキする妻。
そして、相変わらずどうしようもないんだけど、
これまた何だか知らないけど、ふたりの新しい関係を築いていく夫。
最後の妻のセリフがいいです。
おもわず声に出して読んじゃったよ^^。
同じ本の中の他の短編は、どうしても深い思いに捉われずにはいられないのだけど、
この「ヴィオンの妻」は、読んだ後に、フッ・・と笑えるというか、希望がある。
ご立派でもなきゃ、健全でもない自分を、責める事はないんじゃない?
・・・って思えて、元気が出ます♪
どうしようもなくても、泣いたり吠えたりしながら、
とりあえず、その時の精一杯で、したたかに前にすすむ・・。
そして、そういう日々を積み重ねているうちに、ふ・・と、
「なんか、どうしようもないけど幸せかも」って、
ひとりニヤニヤできたら、それって間違いなく幸せだよなあ~・・なんて思った作品でした。
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