母のことを書けなくなってる


ようやく余裕が生まれた私


心がズタボロになっていたことに気付いた


息子とハグをすると、
母との最後のハグを思い出し涙が止まらず


歌を聴くと、
歌詞に母とのことを重ねて涙


入院してから死ぬまでに、
余計な思い出を作りすぎた…


桜を見に行ったことも、
年末年始のホテル泊も、
今後悔している


あれがなければまた違うことで号泣するの
だろうが、やはり直近の思い出は…
苦しくて苦しくて…


そして今、
便秘からの腹痛と思われる痛みに襲われ、
母が最後に悶え苦しんでいた様子を思い出す
これの何倍もの痛みだったのか…
ポコポコ音が鳴る度、十二指腸あたりから
大腸付近がぷくっと膨れ上がっていた
ガスの逃げ道がなく、苦しかったのか?
まるでエイリアンが生まれるんじゃないかと
思った
そんなお腹の膨らみだった


お腹の中全てが癌にやられていたから、
内部からひび割れるように痛かったのか?


想像してもわからない


痛みからかせん妄なのか、
掻きむしって血が滲んでいたお腹…


こんな痛みじゃなかったはず…
と思うと、何だって乗り切れるんだろうが、
やはり、そんな記憶は無い方が良かったな


寂しいとか悲しいとか、
そんな単純な思いじゃない


でも、きっとまだ生きていたら、
"この生活がいつまで続くんだろう"
って思ってたのは間違いない


失って初めてわかる気持ちだし、
失わないとわからないことだってある


それで良い


それでも、母のことを時系列で思い出すのは
今の私には辛い


忘れないうちに記録を…
と思っているんだけど、逃げている
忘れ始めていると思っていたけれど、
全然忘れられないよ…


まだ食べたいものを語っていたあの笑顔
まだ歩せていたあの姿
もう終わりだと悟った切ない笑顔
座ることができなくなった母の絶望感
口から腸液を吐き出した姿
マッサージ中に私の顔をじーっと見つめる顔
ピロちゃんを見て顔をくしゃくしゃにして
抱っこした顔
またねーという私に、うんと答えたあの日
翌日、目を開けられなくなって絶望を感じた
あの気持ち
最期の日に、看護師さんに質問されて"はい"
とはっきりとした声で答えた姿
悶え苦しみ、バタバタと手を動かしている姿
最後の一息を吐いた姿


人は簡単に死ねないけれど、
最期はあっけなく、別れの言葉もなかった


やはり、書こう
書けないなんて言っていたら、母の頑張りが
全て無かったことになる気がしてしまう


母は、頑張ったんだ
すごい頑張ったんだ
悪化してからはあっという間に消えたけど、
それまではみんなに笑顔を見せ、
奇跡とまで言われるほど頑張っていた


"娘さんにも頑張りすぎる血が流れているから
無理しないでね"


自分では、甘えすぎてるし怠け者だし、
ダメダメ人間って思うんだけど…
会う人会う人、そう言われてしまった
自殺しそうに思われたのかしら
たしかに、病院でも施設でも、
私もずっと笑っていたっけ
母が死んだその日、その数分後にも、
もう吹っ切れたかのように笑っていたっけ


そういうところがそっくりだって、
後にケアマネと電話していて言われたわ


ばあばー!
会いたいよー!
でも、死んじゃったからそう思ってるだけの
偽善者なんだよー!わたしは!
そんなのわかってるか?笑
会いたいなー
でもね、意外と大丈夫なんだよー
それに自分で失望もしてる
すっごい順応力に、自分でも引いちゃってる
でもねー、
やっぱり涙が出ちゃうのは、寂しいのかなぁ
私と出会えて幸せだったって言ってくれたの、
嬉しかったよ
口ばっかりじゃないのがわかった
もう死んじゃうから、伝えてくれたのよね
大好きだよって言った時、私も…って言って
くれたのもそうでしょ?
あの時覚悟してたし、今も現実は受け止めて
いるのに、どうしても心の傷は癒えないや…


自問自答と語りかけることはできるけど、
まだ思い出すのが怖いよ…
思い出すと辛いよ…