母から電話が来ない


病院へ行かなかったのか?
無事だったからか?


18:00過ぎ
病院へ行っていたとしても、さすがに帰宅
しているはずだ


我慢できずに電話してみた


第一声が明るい声


 かなり時間がかかったけど、
 診てもらってきたよ

 電話がないから、
 病院行かなかったのかと思ったー

 さすがにあんなにグロテスクだから、
 行くわよー

 どうだった?

 皮膚科に回されたんだけど、
 その女医さんがものすごい優しくて丁寧で
 安心したし、すごい良かった

 
あーよかった
今回も、ギリギリのラインで生き延びた感じ
細い折れそうな棒を慎重に渡ってるイメージ


中が膿んでしまってはいけないので、
膿が出てくれてよかったですね!と言われた


水道水で洗う、軟膏を塗る、ガーゼを当てる


この後花が咲くとかは、今は言えない
というか、中が出てくるとは一概に言えない


その話を聞いて、母の心が明るくなったそう


私はまだまだそれも信じられないけれど、
今すぐどうこうなるとも限らないので、
注視しつつ、今やれることをやるのみ


それに集中しようと思った


帰りのタクシーからの風景が、
いつもと違って見えたらしい


とても美しかった、と


こんな気持ちになれるのは久しぶり


タンパク質をたくさん摂らないと、
皮膚が再生しない
きちんと栄養を摂りましょう、と


ホッとするとすぐに気が緩む性格の母


これ以上悪化させない
それだけ
ここで食い止めれば、まだまだ生きられる
苦しまずにいられる


また自信を持って対処しよう


母が明るくなったのはとても良いことだ


癌と共存できるよう、日々を楽しもう
癌が体の中にあっても、共存している限り
今をキープできるんだ


今日は行かなくてよかった
母が私に甘えなくて済んだ


自分で処置できると思ってもらえて、
母自身も自信になったって


まだまだきちんとやっていけるよ


とりあえず、現状維持
がんばれ、母の細胞
がんばれ、母の心