みんなの図画工作教室@Musica Soave 6月 | emisunaoekakiのブログ

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色々な年代のための図画工作教室。毎月その様子をブログにしています。

三浦はずっと涼しい感じだったのが

ここにきてググッと湿気が増えてきました。

描く紙も乾きにくかったり

なんとなくノリが悪かったり
そんなところにも影響が。

 

Oさんの作品

小学生高学年の子に、どうしたら立体でものを考えられるか
そして影の考え方を学んでもらえるか。

これは私がアメリカで美術を学んだ最初の日にやったことなんですが、

一枚の藁半紙的な紙と、

一本チャーコールを渡され

「この紙を黒く塗れ!」と言われました。

塗っていくうちにだんだん感触が楽しくなり

紙とチャーコールに親しくなり真っ黒の画面が出来上がった時

何かカタルシスがありました。

「これが君の一番黒い影ね」と言われた時

自分の黒を客観的に見ることができました。

 

なので真っ黒と薄いグレイ、その中間を

私はよくみんなにやってもらうのですが

それを使って、錯視に見える穴を描いてもらうと

出来上がりに誇らしくなるんですよね

 

Oさんはあれこれ試しながら
どんどん楽しくなっていって

外に出て草花の影も写して描いて

さらに楽しいシャドーを描いていきました。

 

Oさんのこういう

「手を動かしてったら楽しい!」っていう気持ちが

きっと生徒さんに伝わるんだと思うのです。

私もOさんの教室にいってみたいな♪

 

Kくんの作品

段ボールに絵の具を直接乗っけて

それをスプーンで伸ばすと、下のボコボコが自然なマチエールになって不思議な画面になります。

Kくんはどんな課題も自分のワールドに引き込んでいくので

楽しみにしていました。

何か不思議なお面のようなもの

そしてハスの花もどんどんカラフルに自分のものにしていきました。またどんどん他の工作も作り出して

竹蜻蛉のようなとぶおもちゃも作り始めました。

 

Kくんを見ていると「こういうものを作ろう」というゴールがなくても、どんどん手の楽しさが、作品を作らせているような

そんな感じがするのです。

さすがOさんの息子さん。言葉にならない楽しさが

作品を作らせているというか。

 

Kくんの色のセンス、線のやんちゃな感じもいいのですよねえ。

 

Tちゃんの作品

段ボールのお絵描きをTちゃんにもやってもらいました。

Tちゃんは絵の具でただただ塗る感覚が好きなので、このお題は

楽しくできたと思いますモネの絵のサンプルも持ってみました。

自分の好きな色を合わせて、板の上で伸ばすことが

どんどん楽しくなっていって、何枚も作品が出来上がりました。

 

不思議と書いているうちに、なんとなく景色に見えたり

なんとなく形ができてきたりするのも

偶然の楽しみがありますね。

 

乾かす時間を使って、折り紙を切って

重ねてすいれんの花も制作しました。

 

底を切った紙コップに次々と貼っていくように作るのですが

いざコップから外すと、ふんわり花が咲くようになるところに

Tちゃんは声をあげて楽しんでいました。

カラフルなすいれんが、モネの水盤にぴったりです。

 

Yさんの作品

山本容子さんの画集から、人物とバックに模様を描き加えました。

それぞれを描くことは難しくなくても

合わせて描く時、どういう風にしたら良いのだろう?

 

ここにセンスや、込める気持ちが表れると思います。

 

例えば、ブッダでしたらすぐに🟰ハスの花

ベルサイユのオスカルならば🟰バラ

など浮かびますね。

それはその花の持つ人に与える印象が

描く人物と合わさるから、お互いに引き立て合うのだと思います。

 

絵をたくさん描いていくうちに

この作用、どういう雰囲気にしたいか

少し意識化していくこと、

今回はYさんはこのポイントを学んだと思います。

 

線を何色で入れていくかで

絵の雰囲気もガラリ、と変わります。

 

こうやってYさんの絵はどんどん洗練されていくのだと思います。

 

 

Hちゃんの作品

「モネになってもらいます」に受けて立ってくれたHちゃん(笑)

段ボールにすいれんの水辺を再現しました。

 

モネのいくつかの絵を見て、「この色味」と

パッと選び取って、真似するのではなく、インスピレーションのもととして

チューブの色を板の上で混ぜて描いていきました。

生き生きとかけていて

遊ぶように色を選んでとっても楽しい画面になったと思います。

 

乾く間、すいれんを折り紙で作ろう、と

紙コップのやり方を教えようとしたら

もう独自の八重咲のすいれんを自分で作り上げていました。

さすが中学生!

知恵を絞って作りました。

 

何を作ってもいいし、どういう風に作ってもいい

そこから「自分はこういうものが好きだな」

それを見つけて行ってほしいと思います。

 

 

Kちゃんの作品

Tちゃんが連れてきてくれたお友達です。

お絵描きが好きだということで

このモネの課題を嬉々として作ってくれました。

ぶしゅーっと大胆に絵の具を盛り上げて

スプーンやヘラで色混ぜをする時、

ある気持ちよさがあるのですが、

何枚かやっていくとその先に

少し「作る」気持ちが出てきます。

そこにこの黄色いお花が出来上がったと思います。

 

すいれんの花を腕輪にしたり

また更に立体的なものを作って行ったり

創作魂が爆発しましたね!(👏)

 

 

 

 

[午後の部]

 

Yちゃんの作品

Yちゃんがやり始めて

「私、これ、得意!!」と目をキラキラさせた時

心の中でガッツポーズをしました。

Yちゃんは小さい時からきっちりとした仕上げを目指すタイプなので、このモネの課題ではどう来るかな?と思っていたのです。

それを感覚を解放して何色も使って画面を作った時

新しい面に到達したように思ったからです。

元々色のセンスが鋭いのですが

この多色をまとめるというのはまた別の力だと思います。

まあとにかく、楽しんでやってくれたことが一番です!

 

そこから描きたい気持ちが収まらず画面に絵を描くことにしました。

これもとっても素晴らしいことです。

創作のしりとりのように、次はこれ、その次はこう、

こんな風に繋がっていくことが

絵の楽しさの醍醐味。

 

またこれ一緒にやろうね!

 

Kちゃんの作品

Kちゃんが職人のようにぴーーっと段ボールに色を塗った時

どんな風になるかしら?と伺っておりましたが

いやはや、出来上がりの先を見ての作業だったのね!!と

興奮してしまいました。

 

ジャクソンポロックのような

ドリップ、スプラッシュの手法をそこから展開した時

何か工芸品を見るような気持ちになりました。

 

KちゃんもYちゃんも3歳から(!!)知っていて

最初はよちよちお絵描きしていたのが

こんな風にそれぞれの世界を表すようになって

もう本当感激ですよ!!!

 

Kさんの作品

紫の紫陽花と、雑草のアレチノハナガサを描きました。

 

一つ一つの花ではなく

全体の形を大きく捉えているところに

Kさんのこのところの上達が見られます。

大きく見ては、細かく見る

どこにフォーカスして

影をどうつけるか

Kさんは自分のスタイルを確立したと思うのです。

 

長年描き溜めてきたものを

これから本にしていくのですが

Kさんの眼差しとユーモアが線に滲み出てきていて

とっても良いなあと思っています。

出来上がりが楽しみですね!

 

 

Hさんの作品

Hさんにもモネになってもらいたいなと思っていました。

感覚の豊かさがきっと素敵なものを作ると思ったからです。

 

絵の具を直接伸ばすとき

なぜか美味しそうな感じがしました。

きれいな色味に、目の前にあった貝殻を描いて

涼しげな作品に仕立て上げました。

 

触感、色味、パレットの塗り方

感覚というものはこんなに人によって違うのか、と

新たな視点を得ました。

 

貝の描き方に満足されてないらしいのですが

私はこの丁寧につぶさに点を打っているところに

ある可愛らしさが出ていて好きです。

 

小さな貝も寄り添ってていいですね。

どんどんHさんらしい描き方になってきています!

そこがとってもいいところです。