マグダレーナはヒルデブランドが熱を上げ迫っていたマインというたかだか古本屋の娘がどうにも気にはなっていた。
最初にストーカー行為で警察沙汰になるところを一回は見逃された。しかしそこに出張ってきた弁護士事務所はかなりの実力のある事務所で沢山の有力顧客を抱えていた。
ヒルデブランドにはマインには近づくなとキツく言い聞かせてはいたがまたアイドルのときのようにジギスヴァルトと手を組んで物にしようとしていた。
あの弁護士事務所がついているということはたかが古本屋の娘と言うことではないと言うことである。
それにあの光教団の教祖がジギスヴァルトに接触してマインをどうにかしようとしているのがわかりここは手を出さずに静観することにした。
しかしどうしてか失敗した。オマケに売春クラブの全容も暴かれそうになった。しかしここは図に乗ってきていたフレーベルタークを切るのに丁度よいと警察にはリークをしておいて正解だった。
しかし…ジギスヴァルトとヒルデブランドを無傷にするためにかなりのお金を使ってしまった。
トラオクヴァールには恩を売ることはできたがダンケルフェルガーへの復讐の軌道修正を余儀なくされた。
あの光教団の教祖も絡んだのにマインの事は失敗で買収にも応じなかったのでジギスヴァルトは海外に留学させるしかなくなった。あれは使い勝手が良かっただけに少し惜しいことをした。
しかしこの本須マインは要注意人物であることは間違いない。
代々続く古本屋の娘であって母親はトラオクヴァールの持つ学園の教師なのにあのセレブ御用達の実力のある弁護士事務所がどうつながるのか?
本須マインを調べようとするとどうもかなり妨害を受けると部下たちが言ってきた。
それでも分かったことはマインには親公認の婚約者がいてその相手がかなりの資産家であり学園ではヒルデブランドと同級生で学園始まって以来の大天才のフェルディナンドである事が分かった。
フェルディナンドは愛人の子として産まれており母親は彼が小学生の時に亡くなっている。父親に引き取られたが正妻に酷くイジメられて育ったようで頭はいいがそれだけで目立つこともなく大人しい子供と知られていたが…
天才な故に中学から自らで色々な物を開発してかなりの荒稼ぎをしていたようだ。そのバックにあの弁護士事務所がいたようだ。
アイドルの時よりは数段厄介な相手であることは分かった。
さて、これはどうするのが良いか?マグダレーナは迷った。
マインを潰すにはフェルディナンドを敵に回すことになる。そうするとあの事務所と莫大な資産家を敵に回すのだこちらも無傷ではいられない。現にこの間の事件で資金も大分使ったしジギスヴァルトという駒も失った。
これはこのまま関わらない方が得策なのだが何故かヒルデブランドがマインに固執している。
この間の事件のあと暫くは大人しくしていたがまた何かを企んでいそうな気配がある。
ヒルデブランドも海外に留学させるべきなのかも知れない。
そう思って準備しているとヒルデブランドがまたやらかした。
と、ここまで。