信じうべきだから正しいのではなく、信じたいから正しくなったのである | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

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世界とは、貴方について書かれた書物である。

「新しき形而上学」第2項 アルケー=アイティオン

 

あなたが持つ理屈、それは信じうべき普遍的な真理であると、あなたは考える。

しかし、あなたが理屈を持つのは、すべてあなた自身の理由によるものである。

普遍的なのは、あなたがその理屈を持ったということであって、理屈そのものが普遍的というのではない。

しかし、あなたは、自分が信じられる理屈を持ったと思うことによって、自分のもった理屈を普遍的な真理だと思い込むのである。

あなたが信じられるものを持つことと、信じうべき普遍的な理屈とは、まったく異なる。

あなたにとって信じられる普遍的なものでも、他者にとっても信じられる普遍的なものであるとは限らない。

それは、独善的な傾向のある人が自ら招いている事柄である。

イエスが針の穴を通るほどにも難しいといった偽善的な人たちがその人たちである。

また、マイスター・エックハルトが、自分自身から離れた信仰を説いたのもこの理由である。

それが真理となるのは、私たちが真理としたいから真理になるのだ。

そして、私たちが持つのは、私たちが真理としたいものなのである。

真理を語る人を簡単に信じてはならないことは、賢明といえるであろう。

むしろいかに真理を語るのが難しいか、それを述べる人こそ、信じうべきものがあるのだ。

 

※アルケー~「起源」「原理」の意味。ここでは、正しい理屈、真理という意味で取り上げる。アイティオン~「理由」「原因」の意味。