デカルトの二元論、スピノザの一元論に対して、多元論を打ち出したライプニッツはモナドという概念によって、互いが協同する世界を構想しました。
彼が生きていた時代に、旧教と新教の対立による宗教戦争で、多くの人がなくなっていました。
これは、どの一なる原理によって生きられるべきかを決する戦争でした。
彼は、互いがそれぞれ独立した存在、すなわちモナドであって、よりよく生きようとして互いに関わり合うことで、全体が作られていると、一人一人が存在するように原理もまた多元に存在する、と考えることで、一なる原理によって互いが損ない合わない世界を説いたのです。
この思想は、民主主義の理想と重なります。
つまり、個々人が尊重される社会のモデルは、まさにここにあるのです。
個々人がよりよく生きようとして互いが結びつき、作られている社会。
わたしたちは、この社会を目指してきたのです。
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しかし、どのような思想も完全というわけにはいかない。
それはその思想を解釈し、行動する側の問題でもあります。
社会の理想のために、個人の犠牲をいとわない。
なぜなら、それは個々人が尊重される社会の実現であり、そのために行動すること自体が、よりよく生きることでもあるからです。
自己実現と理想社会の実現とが一体となる思想がこの後出てくるのです。
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夕闇がおとずれ、空に星たちがきらめきだしてきている。
プロメテウス。
「おお、美しい星よ。
貴方は、モナドと呼ばれる。
貴方は、貴方一人であるとともに、貴方と対等なものたちとつながる手であり、互いに対等なものどうしのからだであり、よりよく一つになろうとする光である。
わたしは、貴方がどんなにかわいいかと思う。
しかし、同時に、貴方がどんなに危険にさらされているかと、いつも気がかりである。
貴方のその美しい輝きが、貴方を超えて貴方を生きる、貴方であるものから汚されるのがとても忍びない。
わたしはどんなにか、貴方をこの胸に抱きしめたいと思うかしれない。
貴方が、互いに対等なものどうしとつながる手として、互いに対等なものどうしのからだを生き、よりよく一になろうとするものであり続けることを願ってやまない。」