大地の底の方から、唸り声のような無数の声が低く響いている。
「あの無数の声がまたしている。あの声を聞くと、貴方がどんなに自分自身を損なってきたかを思う。
あれらの無数の声の主とは、貴方が自身を生きるために損なった、おびただしいからだ達である。
貴方がおびただしく損なったからだ達は、互いのからだを失ったので、現世を生きることができず、ただ、現世への未練だけによって生きているのである。
だが、やがて、わたしは今日もまた見ることになる。
もうすぐだ。」
東の空がしだいに明るみを増してくる。
すると、いままで深い闇に包まれていて見えなかったものが見え出してくる。
大地がほのかに明るくなると、大地の上を白くほのかに光るモヤたちが見え出してきた。
彼らは、これから太陽を迎え、その手足になって働く天使たちである。
「太陽が昇る頃、私はまた、見ることになる。
この白く光るモヤたちは、大地に繋がれているものよりも哀れである。
なぜなら、これらのものたちは、現世のからだを失ったかわりに、白い光のモヤのからだを得たが、魂が失われてしまったからである。
魂が失われたものだけが、自身と対等なものを持たない貴方が必要なからだなのである。
貴方によって酷使されるためのからだ。
それが、天国と言われるところの真実である。
天国は地獄よりも地獄の場所である。
そうして貴方が創造した地獄とは、貴方が生きることができない、貴方にとって役立たずな魂がゆく場所のことなのである。
なんたる想像力のなさであろう。なんたる度量の狭さであろう。
これが、貴方の天国と地獄の姿なのか。
はっきり言おう。
貴方は、貴方よりも劣るものを天国に住まわせ、貴方を脅かすものたちを地獄というところに押し込めてきたのである。」