プロメテウス 第2回 星たちのささやき | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

世界とは、貴方について書かれた書物である。

 「わたしは、貴方がどんなに孤独であるかを知っている。


 貴方の以前になにものもなく、貴方以外のものは、みな貴方の後から出てくるからである。」


 すると、岩山に繋がれていたプロメテウスは、星たちがこうささやいているのを聞いた。


 「わたしたちは、あの人から出てきたのですが、あの人がいつも心楽しまないのを知っています。


 わたしたちを含め、いっさいのものは、あの人から出ているのに、あの人はあたかもいっさいのものが存在していないかのように、感じているのです。


 なぜかというと、あの人自身生んだものが、少しもあの人となごむことがないからなのです。」


 星たちは、泣いているようにみえた。


 プロメテウスは、やさしく星たちに語った。


 「そうなのだ。星たちよ。


 あの人は、自身が生んだものに親しむことができないのだ。


 それは、あの人が、自身と対等なものを持たないからである。


 わたしは、あの人によって、ここにこのように繋がれているが、本当に苦しんでいるのは、わたしをこの場所に繋いで苦しめているつもりの、あの人の方なのだ。


 あの人のために祈ろう。


 あの人が自身と対等なものを持ち、互いに対等なものどうしの幸いを生きることができるように。


 さあ、行きなさい。


 そして、あの人に、わたしが貴方の幸いを祈っているということを伝えておくれ。


 かわいい星たちよ。」


 すると、星たちは、にっこりとして、いそいそとして行ったのだった。



※どうやら、この詩劇(?)は、悲壮感ただようものではなく、明るく楽しいものになる予感がしてきました。次回もお楽しみください。