「わたしは、貴方がどんなに孤独であるかを知っている。
貴方の以前になにものもなく、貴方以外のものは、みな貴方の後から出てくるからである。」
すると、岩山に繋がれていたプロメテウスは、星たちがこうささやいているのを聞いた。
「わたしたちは、あの人から出てきたのですが、あの人がいつも心楽しまないのを知っています。
わたしたちを含め、いっさいのものは、あの人から出ているのに、あの人はあたかもいっさいのものが存在していないかのように、感じているのです。
なぜかというと、あの人自身生んだものが、少しもあの人となごむことがないからなのです。」
星たちは、泣いているようにみえた。
プロメテウスは、やさしく星たちに語った。
「そうなのだ。星たちよ。
あの人は、自身が生んだものに親しむことができないのだ。
それは、あの人が、自身と対等なものを持たないからである。
わたしは、あの人によって、ここにこのように繋がれているが、本当に苦しんでいるのは、わたしをこの場所に繋いで苦しめているつもりの、あの人の方なのだ。
あの人のために祈ろう。
あの人が自身と対等なものを持ち、互いに対等なものどうしの幸いを生きることができるように。
さあ、行きなさい。
そして、あの人に、わたしが貴方の幸いを祈っているということを伝えておくれ。
かわいい星たちよ。」
すると、星たちは、にっこりとして、いそいそとして行ったのだった。
※どうやら、この詩劇(?)は、悲壮感ただようものではなく、明るく楽しいものになる予感がしてきました。次回もお楽しみください。