新しきブッダ 第五回 出家 その二 | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

世界とは、貴方について書かれた書物である。

 次に貴方が出会った師は、次のように、貴方に語りかけた。
「あなたは、このことを知解しなさい。
 聞くことに囚われないあなたは、いっさいのものを聞ける。あなたが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないあなたは、いっさいのものから解き放たれて在れる。あなたが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないあなたは、いっさいのものから満ち足らせられる。あなたが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないあなたは、いっさいのものから庇わられる。あなたが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないあなたは、いっさいのものから保たせられる。あなたが支え持たれることができないのは、自身を支え持たれることに囚われているからである。
 味わうことに囚われないあなたは、いっさいのものを味わえる。あなたが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。

 あなたは、このことを受け取りなさい。
 聞くことに囚われないあなたは、いっさいのものを聞き得る。あなたが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないあなたは、いっさいのものから解き放たれて在り得る。あなたが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないあなたは、いっさいのものから満ち足らせ得る。あなたが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないあなたは、いっさいのものから庇い得る。あなたが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないあなたは、いっさいのものから保たれ得る。あなたが支え持たれることができないのは、自身を支え持たれることに囚われているからである。
 味わうことに囚われないあなたは、いっさいのものを味わい得る。あなたが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。

 あなたは、このことを生きなさい。
 聞くことに囚われないあなたは、いっさいのものを聞く。あなたが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないあなたは、いっさいのものから解き放たれて在る。あなたが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないあなたは、いっさいのものから満ち足らせる。あなたが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないあなたは、いっさいのものから庇う。あなたが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないあなたは、いっさいのものによって自身を支え持つ。あなたが支え持つることができないのは、自身を支え持つことに囚われているからである。
 味わうことに囚われないあなたは、いっさいのものを味わう。あなたが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。

 あなたは、このことを生きられなさい。
 聞くことに囚われないあなたは、いっさいのものを聞かされる。あなたが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないあなたは、いっさいのものから解き放たれて在らされる。あなたが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないあなたは、いっさいのものから満ち足らされる。あなたが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないあなたは、いっさいのものから庇われる。あなたが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないあなたは、いっさいのものから支え持たれる。あなたが支え持たれることができないのは、自身を支え持たれることに囚われているからである。
 味わうことに囚われないあなたは、いっさいのものを味わわれる。あなたが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。」

 貴方は、すぐこのことを実践した。すなわち、
「わたしは、このことを知解する。
 聞くことに囚われないわたしは、いっさいのものを聞ける。わたしが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないわたしは、いっさいのものから解き放たれて在れる。わたしが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないわたしは、いっさいのものから満ち足らせられる。わたしが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないわたしは、いっさいのものから庇わられる。わたしが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないわたしは、いっさいのものから保たせられる。わたしが支え持たれることができないのは、自身を支え持たれることに囚われているからである。
 味わうことに囚われないわたしは、いっさいのものを味わえる。わたしが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。

 わたしは、このことを受け取る。
 聞くことに囚われないわたしは、いっさいのものを聞き得る。わたしが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないわたしは、いっさいのものから解き放たれて在り得る。わたしが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないわたしは、いっさいのものから満ち足らせ得る。わたしが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないわたしは、いっさいのものから庇い得る。わたしが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないわたしは、いっさいのものから保たれ得る。わたしが支え持たれることができないのは、自身を支え持たれることに囚われているからである。
 味わうことに囚われないわたしは、いっさいのものを味わい得る。わたしが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。

 わたしは、このことを生きる。
 聞くことに囚われないわたしは、いっさいのものを聞く。わたしが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないわたしは、いっさいのものから解き放たれて在る。わたしが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないわたしは、いっさいのものから満ち足らせる。わたしが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないわたしは、いっさいのものから庇う。わたしが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないわたしは、いっさいのものによって自身を支え持つ。わたしが支え持つることができないのは、自身を支え持つことに囚われているからである。
 味わうことに囚われないわたしは、いっさいのものを味わう。わたしが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。

 わたしは、このことを生きられる。
 聞くことに囚われないわたしは、いっさいのものを聞かされる。わたしが聞くことができないのは、聞くことに囚われているからである。
 自身が在ることに囚われないわたしは、いっさいのものから解き放たれて在らされる。わたしが解き放たれて在ることができないのは、在ることに囚われているからである。
 満ち足らされることに囚われないわたしは、いっさいのものから満ち足らされる。わたしが満ち足らされることができないのは、満ち足らされることに囚われているからである。
 自身を庇うことに囚われないわたしは、いっさいのものから庇われる。わたしが自身を庇うことができないのは、自身を庇うことに囚われているからである。
 自身を支え持つことに囚われないわたしは、いっさいのものから支え持たれる。わたしが支え持たれることができないのは、自身を支え持たれることに囚われているからである。
 味わうことに囚われないわたしは、いっさいのものを味わわれる。わたしが味わうことができないのは、味わうことに囚われているからである。」

 貴方は、師の想念をもたぬことで想念を超えてあまたを想念することを受け取り、すぐさまそれを自身のものとすると、師にこう言った。
「いっさいから囚われなくあることで、いっさいを生きることを説くものよ。わたしはいっさいを囚われなくあることで、いっさいを生きました。もうあなたからわたしが受け取るものはありません。師が、自身が説かれることだけに囚われるなら、わたしが生きるものはもうなにもないからです。」
 そう言って、貴方は、この想念をもたぬことで想念を超えてあまたを想念することを説く師から去ったのであった。
 貴方は、自身と対等なものから得るものはなにもなかった。
 そのとき、貴方は、自身にこう語りかけるのを聞いた。
「もはや、あなたは、あなたの師とすべきものはなくなった。これからは、あなた自身を師として行くべきである。」
 そうして、貴方は、自身と同じく自身の師を持たず、自身の中に答えを求める、自身と対等なものの中に混じって、生死の狭間を身に処す苦行に入ったのである。