おそらく現代人がそれ以前の人間よりも劣ってしまったことは、人間がえらくなったことである!
古代においては人間はみな罪人であり、愚か者であった。
だが現代人は、自身が罪ある者であり、愚か者であることを、自分以外の他人、法を破った犯罪者と言われる人間や、法に対して無知な人間に押し付けることで、正しい人間、賢い人間になったのである。
貴方はふと感じたことがないだろうか。
犯罪者に対するマスコミの報道と、その報道に突き動かされている貴方の感情が、とても冷たく排他的であったことに。自分はあんなことはしない。あんなことをするのは悪いからだ。自分は悪くない。自分はいつでも正しい人間だ。正しい自分は、正しくない者をどんなに損なっても厭わないだろう、と。
だからこれからはこう言うべきである。
みな罪人であり、愚か者である。私も、貴方も等しく極悪人である、と。
宗教がその存在意味を持っているとしたら、まさにこの基本的な思考なのではないだろうか。