出産② | 医療的ケア児 れいちぇるの物語

医療的ケア児 れいちぇるの物語

2023年8月生まれの男の子“れいちぇる”
不妊治療の末に授かった子どもは重症新生児仮死で誕生し、低酸素性虚血性脳症で医療的ケア児となりました。
愛しい我が子“れいちぇる”とパパとママの物語。





続き、出産②


出産した日を思い出すと胸が苦しくなります。
出産って奇跡。

あの日を振り返って綴りたいと思います。



2023年8月29日


17:00
産院到着。

到着してすぐに内診を受けて子宮口1cm。
この痛みで、間隔5分切ってる(1,2分の時も…)
なのに子宮口1cmしか開いてないの??
何かおかしくないか??
読み漁った出産レポとだいぶかけ離れている気がしました。


助産師さんに付き添ってもらい待合室へ。
立ち会い予定の夫にはまだまだ時間が掛かりそうなので一度帰ってもらうことに。





『頑張ってねキラキラ
『うん!頑張る!』




そう言葉を交わして見届けられました。

初産婦の計画無痛分娩は行ってない産院でしたが、ある程度分娩が進んだら無痛にできるため、カテーテルの準備をする処置室へ。





ここから恐怖の始まりでした。





まずNST。測り始めから様子のおかしい波形。
私でも異変があるとすぐにわかった。
今までと違う…

途端に病室が緊迫した空気になりました。




『お母さん、深呼吸続けて!赤ちゃん苦しくなってるから!』



すぐに酸素マスクが付けられました。
この時冷静に冷静にと言い聞かせてひたすら深呼吸に集中。周りで何が行われていたか全く記憶にないです。

そうしているうちに、




『緊急カイザー!』



大声で先生の指示が聞こえて、これは大変なことが起きていると改めて知ることになりました。


説明を受けながら手術室へ運ばれて、看護師さんから夫へ連絡。まだ近くにいたからすぐに戻って来ると。



始まった手術。
開腹中ずっと、お願いお願いお願い!!!!!
何度も心の中で叫んでました。




17:48
『おめでとうございます』


全然おめでたい雰囲気もなく言われたおめでとうございます。

赤ちゃんの泣き声が聞こえない。
私の目に入ってきたのは胎便にまみれて白くぐったりとした赤ちゃんでした。




あれ?
あそこにいるのは私のお腹から出てきた赤ちゃん?




信じたくない光景でした。
慌ただしく蘇生処置をする先生、助産師に囲まれた隙間から時々見える白い赤ちゃん。何が起こっているのか。


夫が入室して赤ちゃんの近くへ。
時々顔を見合せて、お互い頷くしかできませんでした。お願いお願いお願い!!




誕生後15分、心拍が戻る。
すごく長い時間に感じました。もう何時間にも。
バギングされ続ける赤ちゃんは、白くてピクリとも動かなかったです。

誰も何も教えてくれない。




近隣の周産期センターから先生が駆け付けて、夫の付き添いのもと赤ちゃんは救急車で運ばれて行きました。




出産③へ続きます。