携帯のメールを見るだけで身体中が熱くなって、その文字に指で触れて、何度も、何度も、何十回読み返しても、熱がぶり返して、嬉しくて、くすぐったいような気持ちになる。
身体を満たしてるその感覚にどっぷりと浸かる。他には何も考えない。何もいらない。友達も。授業も。一瞬もこの熱から離れたくない。24時間浸っていたい。
そうゆう時期が、わたしには確かにあった。
でも当時わたしは、その快感にずぶずぶに溺れながら、それじゃいけない、こんな無意味なことに、生産性のないことに時間を浪費しちゃいけない、と、焦っていた。
なにか有意義なことをしなければ、と。
恋愛に溺れない周りの女の子が羨ましかった。
男に劣等感があった。恋愛でずぶずぶになる女なんて、ひどくバカに映るんだろうと。
恋愛にハマる低俗なつまらない女であることが、嫌だった。
でも今になって、今になったから思うと、わたしにとって大切なことには大抵、意味とか、生産性とかと結びつかない。
なぜか効率的でないもの、無駄なものばかりに魅了される。
必ずしも賢くて合理的な選択がわたしを幸せにしてくれるわけではないらしい。と、気づいてから少しラクになった。
沢山の無駄と無意味を抱えるのも、贅沢でいいじゃん。
あの時期の、メールを見る度に、身体に触ったことを思い返す度に、
120%その人に満たされて、もう全身パンパンで息詰まって苦しくて、いつも不安で悲しくて、
でもその全部が死ぬほど気持ち良くて、自由を奪われていた
そんな自分は、多分めちゃくちゃ幸せだった。