【ドラマ】山崎豊子『女系家族』と白い喪服 | You and the Revue and the Musical

You and the Revue and the Musical

宝塚やミュージカル、好きな音楽について綴っています。
誠に申し訳ありませんが、最近【話題に関係のないコメント】をいただくことがございます。
その場合はコメントを非表示にさせていただきますので、ご理解をお願い申し上げます。

週末に放映されたTVドラマ『女系家族』、映画化もされ、繰り返しTVドラマ化もされてストーリーは知っているものの、令和の時代にどう描かれているのか興味があって録画して観ました。

 

子供時代に観た作品はさておき、2005年に連続ドラマとして放映された時に印象深かったのは橋爪功さんが演じる番頭の大野宇市。表向きは「へいへい」と波風立てぬようにふるまいながら、裏でやっていることのしたたかさが橋爪さんならではの演技で「ははっ、肝の小さいやつながら悪党じゃ」と思えたものです。

 

なので今回も同役を演じる奥田瑛二さんに私的なスポットがあたって見入っていましたが、奥田瑛二さんも年齢とともにええ芝居に磨きはかかってきたと思うものの、大阪の空気感が感じられないところが少し残念だったかな。

 

私は大阪のど真ん中で商売を商っている人なぞ知りはしませんが、少し泥臭いようなところがあるんじゃないだろうか?なんて思うのですが、役者としての持ち味がスタイリッシュすぎるのかな? あまり肝の小さい悪党感も感じることがありませんでした。

 

演出上なんだろうけれど、渡辺えりさん(矢島芳子)にはちとドン引きしたり、長女役・寺島しのぶさん(矢島藤代)にも女性の怖さが漂ってましたね〜。いや・・・急に父親が亡くなって、影の女や子供が現れたりすると、ここまで人は恐ろしい生き物になっちゃうんでしょうか。

 

次女・水川あさみ(矢島千寿)も夫と共に少しでも遺産の取り分を・・・と画策するのはまだわかる。三女・山本美月(矢島雛子)なんぞは可愛い世間知らずのお嬢風だったのに、相続争いのなかで姉達にまけじと貪欲さを身につけた大人に変貌していくのが怖い・・・という気も。

 

それでも矢島家の女性たちは強欲さが言葉、態度にまるわかりに出ているのと真逆に、影の女・宮沢りえさん(浜田文乃)は清楚に見えるのとは裏腹に、良く言えば芯の通った強い女性、悪く言えばすべてを隠し通した人でした。

 

『女系家族』は昭和の中期に書かれた小説なので、ドラマでは時代設定が「平成」になっていました。・・・が、このご時世に50数億の遺産相続で骨肉を争う状態になっていくことが、少々無理にも感じられ、そのまま過去として一豪商が栄華をほこっていた頃のお話としたほうがよかったように思いました。

 

いや・・・もう平成になったら個人商店で身内で儲ける時代じゃないですからね、会社組織になって企業として生き残っていく時代だから、というのがそう思う理由ですが。

 

(山いくつとか、骨董品に株券がどうのこうの・・・って争うこと、今もあるのかもしれない、私がわからんだけか???)

 

さて・・・

 

なんだかんだ訳わからないことを書いてますが、矢島商店の先代に見込まれ、番頭から入婿となった矢島嘉蔵(役所広司)の葬儀のシーンで矢島家の三姉妹が白い喪服を纏っているシーンがありました。

 

先日、偶然にも知り合いに「喪服って白を着る地方があるんですよ」という話をしていたところだったので、ほうほう大阪のちょっといいお家の葬儀もそうなんだ・・・と知りました。

 

お引きずりで背には黒の刺繍縫い紋付。

 

ちょっと一世一代の晴れ舞台的にも見えましたね。

 

私自身、白い喪服を着る地方を具体的には知りません。・・・が、大昔に着付け教室に通った頃に教えてもらいました。

まぁ、すでにその頃結婚していましたが、「嫁入り支度の喪服は、嫁入り先によって嫁ぎ先の紋にしてほしいと言われる場合、もしくは女紋の紋付を支度する場合があるので、あわてて作らないほうがいいですよ」ということもその時に教えてもらいました。

 

私は女紋ですが、母が早くに他界していたので「紋がわからん・・・」で適当に(苦笑)呉服屋さんで紋を入れてもらい、夏の絽の喪服、袷の着物ともに一度ずつ着る喪服がありました。

(結婚したうん十年前は着物になんの興味もなく、それでも喪服と色紋付ぐらいはいるんじゃないだろうか・・・と作ったのですが、知識ゼロの私は初めて喪の着物を着た時に着付けしてくれた若い人に思いっきり衿を抜いて着付けられ、何の疑問もなく葬儀に出たら、親族がびっくりして直してくれたので「何も知らんはいかんだろう」と思ったのが着付け教室へ通った理由です^^;

でも後々マイ着物ブームで木綿の着物とかで暮らしたことがあるから、役に立ったかも!)

 

 

でもなぁ・・・

 

今時なら喪の着物なんぞほとんどの人が嫁入り支度には持っていかんだろうなぁ、あんまり必要じゃない気もするし(^^;)葬儀自体が時代と共に簡略化されつつある中で、コロナ以降はますます家族葬などに移行してますからね〜。

 

さて・・・


宝塚の生徒さんは音楽学校入学時に黒の紋付を作られますよね。

緑の袴とあわせて・・・。

 

ただし宝塚の生徒さんの黒紋付きは一般的な着物より袖丈が少し長い一尺五寸あるみたいです。今のタカラジェンヌは長身だからそれでバランスがとれてちょうどいいのかなぁ。(一般的には袖丈は一尺三寸、背の高い人は一尺四寸ぐらい)

 

で、卒業の時には秋から春は袷、夏は絽をお召しのようで、この伝統はこれからも続いていったほしいです。

 

(・・・と強引にヅカネタで締めちゃおう)