【映画】「さよならドビュッシー」と清塚信也さん | You and the Revue and the Musical

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最近すっかり◯mazonプライムで映画や過去のTVドラマ視聴が生活の一部になりつつあります。

 

で、先週末観た「さよならドビュッシー」、原作は『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した小説ですが、インパクトの強いシーンが数々と心に残っているのでメモ的に感想を書いておきます。

 

(小説が原作のドラマや映画って多いですね。観終えたあとに「小説もよむぞーーー!」と思いながら、要シニアグラスゆえに読書はちっともはかどってません。この作品も原作読みたい気持ちはあるんだけど・・・)

 

簡単なあらすじは「火事にあって大火傷を負ったピアニストを目指す仲良し従姉妹の一人が、重度の火傷から復活してピアノコンクールで優勝する」という内容。そこに事件がからんでいたり、大どんでん返しがあります。

 

なによりも圧巻だったのはピアノコンクールの場面。

演奏時間が長くなるにつれて、痛みにおそわれ、指が動かなくなるという火傷の後遺症の中、1曲目の「アラベスク」を弾き終え、次なる「月の光」を弾こうとする前に、靴をそっとぬぐ主人公。

そして演奏後半では苦痛にみまわれいることが表情から見てとれる中、演奏の音の美しさと音楽への集中だけは見事であり、「これ・・・本当に最後まで弾ける?」と視聴者としてハラハラしてしまいますが、限界を超えるかのように椅子から立ち上がりピアノを弾き続けるもラストの一音までが完璧な曲だーーーーーーと思わせてくれたことが、「ピアノを弾きたい」「月の光を弾きたい」という思いの深さを感じました。

 

なんか音楽ってテクニックも大切だけど、「思いの深さ」こそがもっとも大切なんだろうか・・・などと考えてしまいました。


劇中にも「完璧なテクニックであっても人になんの感動も与えない音楽」というセリフがあったのですけど、そういうの・・・あるのだと思う。

(宝塚やミュージカルの舞台でも音程云々を超えて伝えたい思いが伝わってくる人っているようなぁ・・・と思う)

 

 

主人公・香月遥を演じたのは橋本愛さん。

 

しかしこの作品中で「この人何者や?」とびっくりしたのはピアノ教師(岬洋介)役の清塚信也さん。
リストの超絶技巧練習曲を弾いている場面があり、どう見ても吹き替えではなく実際に弾いているとしか思えない!! 難易度高すぎる曲を堂々と弾いてるってこの俳優さんなにもの?

 

そう思って鑑賞後に調べてみたところ、やっぱり俳優活動もされているものの本物のピアニストさんでした。

一見稲垣吾郎さんっぽい雰囲気のイケメンさんです。
 

この作品だけでなく音楽シーンでは「コウノドリ」をはじめ多数の作品に関わっているそうな。(「コウノドリ」の曲大好きなんですよね)

 

冒頭に書いた通り『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作が原作なので、大どんでん返しやミステリー部分も見逃せませんが、その点はほかにもそんな作品ってあったような既知感があるものの、演奏シーンの鳥肌感がそれを大きく越えた佳作でした。

ピアノが好きだから「蜜蜂と遠雷」「羊と鋼の森」なども好きなんですけど、音楽系作品で好きなベスト3ってところですね。

 

 

そういえば・・・

来年、宝塚では花組さんでフランツ・リストを主人公にした作品が上演される予定ですね。

リストってピアノを学ぶ人の前に大きく立ちはだかるテクニックの難易度が高い作品が多い。(表現力うんぬんよりも弾くことそのものがむずかしいのよね)
これって演奏どうなるのかなぁ? もちろん吹き替えは承知ですが、オケのピアニストさんが毎日弾くの? 結構プレッシャー大きすぎるような・・・って私が心配することではありませんが、どうなるのか興味あり。

ずっと過去に遡ると元月組トップの瀬奈じゅんさんの退団公演『ラストプレイ』では、主人公がピアニストという設定で難易度の高い曲を日々オケのピアニストさんが弾いていらっしゃいました。

若いピアニストさんで(今はコロナ対策で幕があり見えませんが、よくオペラでオケピットのぞいてます)、かなりの腕の方とお見受けしていました。

 

花組時代の芹香斗亜さん主演バウホール公演『フォーエバー・ガーシュイン』では、芹香さんがガーシュインの曲の一部をサラリーーーーっと生で弾いていたりっていうこともありましたね。

 

他にも月組作品で生徒さんが生演奏するシーンあったような? 『アルジェの男』??? 私が宝塚から離れていた時期でしたが、元トップの麻路さきさんも演奏力が高い生徒さんだったと伝説のように聞いたことがあります。

 

昨今、みなさんなんでもできるのですよね。

 

 


ライブ配信がはじまって以降、それを楽しみにしていましたが、意外にも配信時間に家にいても観られない状況になることが多く、雪組さんの大劇場&東京公演千秋楽は時間あわず、月組さんの博多座も途中退席(ストーリーのラストがわからん)・・・とかライブ配信難民となって宝塚が遠い世界になっています(涙)。

 

来週は多分・・・花組さんをリアルに観られる予定!