5月4日
「春の銘仙館まつり」開催中のちちぶ銘仙館へ行きました。
チラシも可愛い
まずは糸繰室。
通常時は糸繰室の機械は稼働しておらず、静かな館内に手織り機の音が聞こえるだけですが、イベント期間中なので、糸繰室の機械も全稼働し、見学者も今までで一番多かったです。 銘仙館の機械は全部現役だそうですが、糸繰室の機械が動いているを初めて見ました。 説明を聞くだけだったり、掲示してある文字を追うのと、実際に作業しているのを見るのとでは全然違う。 「正に百聞は一見に如かず」
茹でた繭7個をコロコロ転がして糸を巻き取り、1本の糸にしているところ。
繭の中に茶色い物体が入っているのが透けて見えたので、中身がいつ出て来るのかドキドキしていたら、袋に大量に入れてある「中身」を一つ取り出して見せてくれました 蝉のさなぎをギュッと潰したみたいな丸っこい物体でした。(←よく見るのが怖くて一瞬しか見ていない)
蚕は4回脱皮して5回目に作った繭を糸にするのだそうです。 図の様に7個の繭を「1本」の糸にし、その1本の糸を9本使い、銘仙を織る1本の糸にすると知りました。(前に見た様な気もするけど忘れていた) 蚕どんだけ使って、1枚の着物が出来ているんだ。。
この後の、捺染室では経糸を染める工程を教わりました。 昔、グラビア印刷の会社に勤めていたので、多版多色の印刷の工程は分かるのだけど、余白のある紙やビニールと違い、合わせのトンボが小さい○や□で、それは反物の外側にある事を知りました。
グラビア印刷ではワンピッチをロールで印刷するのだけど、銘仙はワンピッチづつ捺染し、更に色を重ねる。 染料を乾かす時間も必要だし・・・一反染めるのにどれだけ時間がかかるんだろう。
(夫婦に見える)2人が見ているのは染場。 糸を染めているところ。 ここに人がいるのも初めて。 長靴が置いてある所は藍染体験コーナー。
手前の織機には、後継者育成講座の生徒さんが製作中の野菜や果物の柄の銘仙。
カッコイイ孔雀の柄も製作中。 これ欲しいな
ここは整経場。
糸に撚りをかける機会や、経糸を揃える機械があります。
スパイダーマンが糸を出したところ。
・・・じゃなくて、必要な本数と長さの経糸を整えてドラムに巻き付き取る「整経」と言う工程。
糸が蜘蛛の巣みたいで美しい
蜘蛛の巣も好きだし、私は糸から好きなのかもしれない。
後継者育成講座の生徒さんの作品展。
同じ型を使っても色の選び方で別の物に見えるし、緯糸選びのセンスも問われる。
私の手元にある銘仙に、どれだけの蚕が使われ、何人の職人さんが、何日かけて反物にしてくれたのだろう。 反物を仕立てる職人さんもいる。 アンティークだから、どんな思いで仕立て・・・そして手放したんだろう。 縁あって私の所に集まった銘仙達を、より一層愛しく思える。
つづく