昨日のイングランドvsニュージーランド戦の結果により、
イングランドが決勝に進出することになりました![]()
試合前の聴いた久米宏さんのラジオ番組にスポーツライターの生島淳さんが出ていらして
イングランドの勝利を予想していましたよ~さすがの分析!
生島さんてどんなスポーツに対しても、とても深い知識を持ち、
いつも的確かつ冷静にコメントされるのでホントに尊敬してしまいます。
昨日のニュージーランドは勝利への焦りのせいか、ペナルティーが目立ちましたね。
やはりラグビーは「規律」なのだと思い知らされた一戦でした。
さて、そのようなわけで私が最近読んだ本、
早稲田大学ラグビー部の元監督であった大西鉄之祐先生の
『闘争の倫理』(1987年、二玄社)がとても面白かったです。
大西先生は1995年にお亡くなりになっていますが、
先生はラグビー指導者だけではなく、社会学者でもありましたので、
内容は単なる教育論や指導論ではありませんでした。
それは本の中で対談されているメンバーが西洋哲学研究者の伴一憲先生、
同じく西洋哲学研究者でミニ・サッカーの国際的指導者である栄隆男先生、
そして英文学研究者の大竹正次先生という顔ぶれからも想像できると思います。
大西先生曰く
「ラグビーはスポーツにおける闘争性を最も巧妙に組織したゲーム」(p.244)です。
つまり、ラグビーはとても危険なスポーツなのです。
全力で闘うことを求められる選手は
体と体を激しくぶつけ合いますので
場合によっては敵チームの選手に致命的な大怪我をさせてしまうかもしれませんし、
万が一、相手の命を奪うことさえもあり得るのです。
したがって選手にはその一歩手前で「自制」が求められます。
それが「闘争における倫理」です。
そして先生のこの考えは反戦論に結びついています。
一旦、戦争が始まれば、人々は理性を失い、お互い殺し合いになります。
しかし、その行動を起こす前に「ちょっと待てよ」という自制心を呼び覚ますことが
重要である、とおっしゃっています。
「ラグビーなんかで試合中に、こいつをのばして、頭を蹴っていったら勝てるという時に
そこで、待てよ、それは悪いことだと、二律相反の葛藤を自分でコントロールできること。
それがスポーツのいちばんの教育的価値じゃないかと感ずるんです」(p.30)
太平洋戦争中、東南アジアの激戦地で、
毎日死と隣り合わせの壮絶な日々を送られていた先生だからこその考えです。
国際スポーツ大会は平和な世界が成り立って行われるものですよね。
しかし、その本来の目的が忘れがちになり、
オリンピックの諸問題等で何やら騒いでいる昨今、
もう一度私たちが考え直すためにも、ぜひおすすめの一冊です。