ノベルセラピーワークショップは、ノベルセラピストからの質問に答える形で、即興で物語を作る。
考える時間がないので、出てくる答は、直感そのもの。つじつまが合わないと焦りながら、それでも、なんとかなっていく。自分の口が勝手に話し出すことの醍醐味。大ぼら吹きになっている。
だけど、その物語は、潜在意識から、大切なメッセージを運んでいる。

ノベルセラピーを受け始めたころは、「預言」だった。
物語に登場したアイテムや場面が、実際に日常生活に登場する。驚いた。これはすごい! と思った。
ノベルセラピーで入っていくイメージの世界は、寝ているときに見る夢と、おそらく同じ場所だから、その現象は理解できる。私は、寝ているときに見る夢を、朝まで覚えていられないので、ノベルセラピーワークショップで、自分のこれからの方向性や、深層で感じていることを受けとれるのは、ありがたかった。機会があるたびに、せっせと参加した。

ノベルセラピーは、グループセラピーなので、同じグループになっている人と「共有しているテーマ」が実感できる。1人でやることの2倍、3倍、それ以上の気づきがある。

すぐにノベルセラピストの認定をいただくと、まずは家族に体験してもらった。2人の子供たちの創るノベルの発想にワクワクした。子供たちのノベルが、お互いの世界を行き来しあい、つながりあっていることを知って、母親として感動した。これまで知ることが及ばなかった子どもたちの世界は、私が思う可能性をはるかに超えていて、それを体感させてもらったことに、感銘を受けた。

毎回、素晴らしいギフトがある。
ワークショップの中で、即興で物語を作って発表しあい、感想を伝えあうだけでも、気付きがあり、どんどんシフトする感覚。そのあと、口から飛び出した荒唐無稽なノベルを、文章にする。

創始者のオジャさんは「文字化」と名付けている。
一度、話したことを、文章にするだけなので、体裁を整えるだけなら、すぐに終わる(はず)。
すぐに書くことに意味があり、絶対にいいことなのに、なぜか取り組めない…… という状態を経て、ようやく書けるようになった、9月ネクステ

テーマは、創始者オジャさんによる 「動物になるノベル」
ノベルセラピスト 野村和泉さんによる「AIと共存する理想の未来ノベル」

9月から、これまで3本だったテーマが2本になり、時間も短く、料金も安く、参加しやすくなった。

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9月ネクステで体験したのは、「感想からのアルケミー」だ。

9月のテーマを見たとき、一瞬、躊躇した。
「動物」と暮らしたことがないし、苦手だし、「動物になる世界」に、ひるむ気持ちがあった。自分がどんな動物になり、何をするのか。深層から出てくるものが、怖かった。
「AI」は、知識がないので、それでも大丈夫かな? という懸念があった。

でも、すごい体験をした。アルケミーって、こういうことなのだと思った。

オジャさんによる「動物になるノベル」で、現れた動物は、「ニホンオオカミ」
これは、今年の5月から、「狼と駈ける女たち」という本の読書会に参加していることがベースにあり、狼の絶滅について、たくさんの記事を読んでいたこと、京都の美術館で開催されていた星野道夫さんの写真展で観た「オオカミ」の表情が印象に残り、これまでにも何度も閲覧している「最後のニホンオオカミ」について書かれた記事を読み直したことが、強く印象に残っていたからだと思う。

主人公が、最後のニホンオオカミのことを知ったときのことを、文字化したときに

「この地球上で、確かに生きていた動物が絶滅するという事実、その種族の最後の一匹になるという事実は、誰といても、何をしても、心に孤独を抱え、つながりあえない空虚さを払えずにいるサトルにとって、ずっと共鳴している寂しさだった」

と書いた。ワークショップでも、同様のことを伝えた。

物語の内容(前段省略)は、

〈孤独を抱えていた主人公が、絶滅前のニホンオオカミに転生し、群れや家族とともに野山を駆けまわり、生き生きと暮らす中で、逃避していた自分に気づき、受容したとき、人間に戻り、ニホンオオカミが絶滅したと言われている地に移住して、女性と出逢い、家族を持ち、人間としての生きがいを得て……〉 

というもの。

語り終えたときは、「主人公の孤独」が癒される物語だと感じていた。
ところが、オジャさんや、同じグループになって、物語を耳で聴いてくれたSさんが伝えてくださる感想を聴いているうちに、私の心が掴まれ、とらわれているのは「最後の1匹になり、絶滅したニホンオオカミ」の哀しみや孤独や絶望だと感じ、その最後の魂が、物語の中で、主人公に転生し、絶滅の地で人間として暮らし、いのちを繋いでいくことで、浄化されたのではないか? と気づいて、ものすごく嬉しくなり、物語が届けてくれる壮大な癒しを体感できた。

自分で創るだけでなく、いっしょにその場にいて、同じように物語を作って、聴いてくださったかたが感じたことを、「声で伝えてもらえる」という贈り物

Sさんの物語には、孤独とともに、Sさんが大切にされているテーマが流れていて、物語を読むと、その振動に包まれる。Sさんが伝えてくれる言葉からは、それがあふれて、伝わってくる。

オジャさんからは、

〈三次元の世界で学び、超えるというプロセス〉
〈人がひとりでいることには、どんな意味があるのか〉
〈ほんとうの意味で1つになれるとは、どういうことなのか〉
〈ノベルセラピーという集合意識〉


というお話を聴かせていただく。2人だけで聴いているのは、もったいないような内容に、胸を打たれる。
私が根底に持ち、いつも灯っている孤独の炎が、これからのプロセスを照らす光に、変容するのを感じた。

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野村和泉さんが講師をしてくださった「AI」のノベルセラピーも、びっくりするような展開が生まれた。

びっくりするような展開だけど、自分の中にあるものからしか生まれないし、それがどんなに奥底に眠っていたものだとしても、私が大切にしているものしか出てこないことを、体感する。
そして、質問によって出てきたアイテムは、どんなにバラバラのように思えても、意味を持ち、つながっていることも。
それは、感想を聴いている時に気づいたり、文字化する時に浮上してくる。
やろうと思っても、できそうにない「伏線」が見事に仕掛けられていることに、驚く。

ちょうど、9月作品の文字化をしている頃に、仲谷史子先生の「2時間で心に響く文章が書けるようになる講座」を受講して、「小説」とはどういうものかを学ぶ機会があった。
そのとき、「小説に流れる三本の河(①本筋・見える河・ストーリー ②本流・見えない河・行間 ③源流・見えない河・琴線」を教えていただいたのだけど、ノベルセラピーにも、3つの世界があるように感じた。

あてはめると、ノベルセラピーのワークショップで、質問に答えているときにつながっているのは、「②本流・行間」で、即興の物語のときにつながっているのは「③源流・琴線」
ここで感じたものを話していただけるので、自分の中にも鳴り響いて、共鳴やアルケミーが起こる。
文字化をすると「①本筋・ストーリー」が現れる。
出来上がった作品「見える河」より先に、「見えない河」を共有しあえるノベルセラピーって、あらためて、すごい体験だと感じる。

さらに、ノベルセラピーで文字化した作品を読み直したとき、「あらすじのよう」だと感じた。
文字化した作品の感想をいただくと、変容が起こる。

和泉さんから、感想をいただいたとき、「AI」のノベルは、もっとふくらませることができるし、追いかけたいし、まだ隠れているものがあるなら受け取りたい、「あらすじ」だけで終わらせたくない、という強い気持ちが生まれた。

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今回、同じ部屋ではなかったけれど、4月ネクステで、講師をご一緒した恵子さんとは、その後も、お互いの物語を交換しあっている。
 

とても、真摯で、痛いほどに正直に、ご自身をまっすぐ見つめてノベルを紡がれる恵子さんの物語は、読むと、はっとする。自分の中に確かにある、ふだんは隠れている、やわらかな部分に思い至る。

 

今回の「動物になるノベル」では、

 

〈起伏や障害を、地についた全身で感じながら、常に摩擦の中で、飛ぶこともできず、近道もできず、コツコツと這うように進むしかない自分〉と、〈夢物語ではなく、実際に現実を生きている作者が、ごまかしでない答を求める、真摯な問い〉を感じて、胸を打たれた。

私なら、そこで物語を終わりにすると感じるところから、さらに、課題を投げかけて物語が続くところも、いつもすごいと思う。

今回のノベルで、恵子さんがテーマにした「毒」は、この夏、私が揺さぶられ続けた感情の根底にあるものの正体に気づくきっかけとなった。

 

「AIと共存する理想の未来ノベル」では、AIロボットへのアプローチが3人ともちがっていて、そのことによって、私が大切にしているものや、癒えていないもの、物語の根底にあるテーマが、くっきりと浮かび上がった。

 

(ひとりでは、気づけないし、超えられない)


ということで、9月ネクステを経て、新たなフェーズに!

浜田えみな

前回のネクステ

 

 

家族でノベルセラピー
 

 

恵子さんとの出会いあれこれ