たくさんの名品をみせていただいて、繰り返し思ったのは、

 

(これで、ごはんを食べたいな)
(これに、おかずを盛りたいな)

 

どんなにおいしく見えるだろう。

どんなにおいしく食べられるだろう。

どんなに日々が、うつくしくなるだろう。

 

***

安心して、信頼して、共感して、おいしく食べて、飲んで、歩いて、風に吹かれて、共に時間をすごせる人がいることに、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

(本文より)

 

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お友達と中之島公園に行ってきた。

 

 

中之島といえば、中央公会堂。いつ観てもかっこいい。あちこちで、ウェディングフォトを撮影している。横目で見ながら、待ち合わせ場所の中央公会堂のレストラン 「ソーシャルイートAWAKE」へ。まずはランチだ。

 

役場の職員食堂みたいなところで、オムライスを食べたのは、いったいいつの記憶だろう。今は、すっかりおしゃれなカフェダイニングだ。名物の、牛肉煮込みデミグラスソースオムライスランチを食べようと思っていたけど、メニューをみて、ミックスフライランチに変更する。

 

なぜなら、「大海老フライ&自家製タルタルソース・ボルチーニのクリームコロッケ・山椒をきかせたミンチカツ」と書いてあるからだ。

普通のクリームコロッケや、カニクリームコロッケではなく、ボルチーニ!」 ミンチカツに「山椒!」

私は、〈ちょっと違う〉というものに、たいへん弱い。失敗することもあるのだけど、今回は頼んで大正解。

 

 

フライは中身まで揚げたてのアツアツ、衣はサクサク! こだわりのソース! 口の中いっぱいにひろがるしあわせ感! 

 

ボルチーニのクリームコロッケは、ブラウン色のクリームが、オトナの味

初めてなのに、なつかしいのは何故? いつまでも余韻が残る味わい深さだ。

 

山椒をきかせたミンチカツは、ジューシーなのにパンチが効いていて、特別感たっぷり。洋と和のマリアージュ。デミグラスソースが、たっぷりかかっている。

 

とにかく大きな海老! 甘い、プリプリ! てんこもりのタルタルソース。ごはんと合う! 

私は、ごはんと一緒に食べたかったので、ライスにしたけれど、お友達が選んだフォカッチャもとてもおいしそう。なにより、お皿のソースを最後まですくえる。

きれいに完食して、ぴかぴかになっている、お友達のお皿を見て、〈ごはんをきれいに食べる人って、大好き!〉と、いつも思うことを、また思う。

 

ごはんを残さずきれいに食べる人は、その人の生きる姿勢が信頼できると思っている。(ちなみに、私は、生きる姿勢に嘘はないけれど、ごはんをきれいに食べられない)

 

お友達とランチをするのは、ほぼ1年ぶり。ゆっくり味わって、たっぷり話して、次の目的地の大阪市立東洋陶磁美術館へ。

 

 

私は、子どものころ、ニュースで観た「化石発見」や「古墳の壁画」「出土品」などに影響を受け、〈古いものが現在まで遺っている〉ことに、とにかく魅力を感じ、(この目で見たい! 感じたい!)と思うようになった。

大阪という、二つの古都に近く、著名な美術展や博物展が開催される施設や文化財に恵まれた立地に生まれ育ったので、機会があるごとに、美術館や博物館、寺社仏閣、古墳や遺跡に足を運び、本物を観て、感じてきたのだけど、なぜか「焼き物」にふれる機会がなかった。

苦手意識もあり、かつての東洋陶磁美術館の、毅然とそびえたつ、堅牢なたたずまいは、気軽に入れる感じがしなくて、敷居が高かった。

 

しかし、中之島エリアの美術館に何度も足を運ぶうち、(一度くらい、東洋陶磁美術館に行こう!)という気持ちになり、展示を確認するためにホームページを開いたら、〈改修工事のため、長期休館中〉というお知らせ。工事が終わって、オープンするのを、ずっと、待っていた。

 

 

約2年間の改修工事を経て、リニューアルオープンした東洋陶磁美術館の、エントランスホールは吹き抜けで、全面が窓。外からも内部が見通せる。入口から、2階の展示室入口へと階段を上がっていくと、ガラスの向こうに、中之島の緑と風、ひかりのまたたきがきらめいて、明るく、開放的

 

展示室は、たくさんあり、中に入ると、陶磁器本来の色と質感を引き出すため、天窓からの自然光や、最新のLED照明を導入するなど、作品に合わせた「ひかり」が取り入れられ、展示台の生地も、作品の鑑賞を妨げない色と材質のものが使われているなど、至れり尽くせりの工夫が施されている。

 

感動したのは、展示ケースのガラスの前に設置されている、木製のひじ置き台だ。東洋陶磁美術館館のオリジナル仕様だという。

 

「ここにひじを置けば、目線が自然と作品に最も近い位置に移動し、じっくりと鑑賞することができます。メモをとったり、両手をついたりするのにも使え、前面が丸く処理された優しいつくりは、ゆったりと快適な鑑賞に大きく貢献しています」と、説明のパネルに書いてあるので、半信半疑で、ひじを置いてみると……

 

(もう、ひじ置き台なしの鑑賞には戻れない!)

 

ひじを台に預けるだけで、足腰の負担がなくなり、作品鑑賞しながら休憩している状態なのだ。

 

(ぐっじょぶ!)

 

***

 

それにしても、すごいコレクションだ。

お金も、蒐集にかける熱意と時間も半端じゃない。このように蒐集してくださった人がいるから、価値あるものが散逸することなく守られ、何百年、千年を超えてなお、こうしてふれることができるのだ。

 

宇宙の深淵を見るような「油滴天目茶碗」

 

 

青磁に鉄斑紋の装飾が、ダルメシアンの模様のような「飛青磁花生」

 

 

国宝2点。間近に見ることができた。

 

ほかにも、たくさんの興味ある名品をみせていただいた。

初めて見るもの、用途を知って驚くもの、美しいもの。

 

繰り返し思ったのは、

 

(これで、ごはんを食べたいな)
(これに、おかずを盛りたいな)

 

どんなにおいしく見えるだろう。

どんなにおいしく食べられるだろう。

どんなに日々が、うつくしくなるだろう。

 

器は、生活と共にあるもの。

 

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東洋陶磁美術館の愛称はMOCO(The Museum of Oriental Ceramics, Osaka)

どこかの美術館で、こういうアルファベットのロゴがあった…… と思って確認したら、ニューヨーク近代美術館=MoMA(The Museum of Modern Art, New York)だ。

 

東洋陶磁美術館のキャラクターは、おしゃれでキュート。

猫のような虎で、動画の中で、しなやかに動いている。館内も、自在に動き回っていそう。名前は、mocoちゃん

 

 

 

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美術館を出て、次はバラ園。

 

 

まだ、満開までは、もう少し…… という感じだけど、汗をかきすぎることなく、バラ園を一周できる。最高の日和だと感じる。
ほころびかけたつぼみのかたちが美しい。

 

 

 

 

 

一周して、中央公会堂まで戻ってきたので、今度はAWAKEのテラス席でカフェタイム。

 

 

オープンカフェでお茶をする機会は、あまりないので、すごくうれしい。

川からの風が心地よく、壁や、屋根のないところに座っていると、開放的な気持ち。

ケーキセットをオーダーする。

 

 

 

気づけば2時間。

 

お互い、研鑽していることや、所属しているコミュニティは違うけれど、大切にしている本質は同じだ……ということを、感じる。だから、いつまでも聴いていられるし、お話できる。

 

安心して、信頼して、共感して、おいしく食べて、飲んで、歩いて、風に吹かれて、共に時間をすごせる人がいることに、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

別れ際に、おみやげをいただく。

 

 

(ほしいも!)

やばい。めっちゃ、おいしいやつ! しかも、BIGサイズ。うれしい。

ぜったいに、焼いて食べる。

 

浜田えみな