父の介護で実家に単身赴任中のため、いつのころからか、月に一度、離れて暮らしている夫とランチデートしている。

美術館か博物館とセットのことが多い。

 

兵庫県立美術館に行くときは、JRで「灘」まで行く。

車窓から、六甲の山と「六甲道」の表示が見え、大学の最寄り駅なので、二人の子どもたちのことを思い出し、家族ラインにコメントする。

 

母:(いい天気だね~。お父さんとお母さんは、今、電車の中です。灘でランチして、兵庫県立美術館に行きます。Tは何してるの? Nは今どこですか?)

 

N:(六甲山牧場!)

T:(尾道のカフェ)

 

大学2回生の娘は、サークルの先輩と六甲山牧場。

4月から広島に赴任している息子は、友達と尾道のカフェ。

みんな、それぞれ、ひかりの中だ。

いいなあ。

 

何年かおきに必ず転勤する業種に就いた息子に、私の感覚ではネガティブなことしか思い浮かばなかったけれど、日本全国に同期の仲間がいて、岡山と福山にいる同期とは、休みのたびに往き来するなんて、転勤のない会社に就職していたら、体験できないことだ。

 

お盆に尋ねたときは「同期」と呼んでいたのが、「友達」に変わっているのも嬉しいし、万が一だけど、同期の子たちではなく「彼女」だったら、もっと嬉しい。

 

なんとかやっているみたいなので、

 

(よしよし)

 

***

 

兵庫県立美術館に行くときのお決まりは、灘駅からすぐの「伊万栄」という日本料理のお店のミニ会席と、「ふくろうパン」のパン。

パンは、すぐに売り切れてしまうので、先に買う。

 

 

 

いつも、蓋を開けるたびに小さな歓声をあげてしまう季節感あふれる八寸

供される品すべてに大満足。

 

日本酒は、ひやおろしの紅葉姫

 

 

炊き込みごはんの昆布をめくってびっくり。

 

 

兵庫県立美術館は、今年3度目。

美術館の屋上には「美カエル」というオブジェがあり、出迎えてくれる。

 

 

今回は、ボストン美術館所蔵の武者絵と刀剣

躍動感あふれる斬新な構図のヒロイズムに胸が躍る。

 

 

 

瀬田の唐橋の大ムカデ退治の浮世絵もあり、撮影OKだったので、十月に瀬田の唐橋を訪れた稲葉優子さんに見せようと思って撮影する。

 

兵庫県立美術館は、大好きな画家「金山平三」の展示室がある。

絶対に観ようと思っていたら、文化の日で無料だという。

 

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展示室に入ったとたん、大いなる癒しに、温泉に入っているような気持ちになる。

一日中でもいられる。

 

 

日本人にしか描けない風景。

目で見えるものだけでなく、直感で受け取ったものを、絵画でしか実現できないものに変換し、色を構築する。

 

 

ものかきとして、私もそうありたい。

 

浜田えみな

 

金山平三氏の絵に出会ったときのブログ