4月から社会人となった長男の赴任先の広島に、夫と出かけてきた。

赴任先が決まってからのあれこれや、広島駅に着いてからのあれこれは、追って書くとして。

平和公園を抜けて、広島城へと向かう途中で、こぐまちゃんに出逢った

道路の向こうに、「こぐまちゃんとしろくまちゃんの大きな看板」が見えた瞬間、中に入ることは暗黙の了解だった。

 

(なんて、なつかしい!)

 

どのくらい、読み聞かせをしたか数えきれない。

起きているときも、添い寝のときにも。夫も私も。

何度も、何度も読んだ。

 

息子は、私たちが読む言葉を、すぐに暗記して、ページをめくる前から、フライングしていた。
字は読めないのに、ぜんぶ覚えて、くりかえしていた。

大好きなシーンが、いくつもあって、笑い転げていた声が、耳元によみがえる。

 

こぐまちゃんの成長は、息子の成長だ。

こぐまちゃんは、2さい

おまるに座っているこぐまちゃんの絵に、おまるを使っていた息子の姿が重なる。

 

絵本の中で、こぐまちゃんとしろくまちゃんがやっていることを、息子もわたしたちもやってきた。

 

『たんじょうび おめでとう』という、こぐまちゃんシリーズ最後の絵本で、こぐまちゃんは、3さいになる。

 

息子の3さいのたんじょうびに、その本をプレゼントしたことを、思い出した。

そうして。
息子の年齢は、夫と私が「父と母になってからの年齢」だということに、気がつく。

 

展示されている、どのシーンをみても、当時の生活が浮かんでくる。

新築のマンション。

たくさんの「初めて」が刻まれているリビング。

なんども、いっしょにひらいた、こぐまちゃんの絵本

 

現実の息子は、22歳なのに、一瞬で、20年前に逆行できる。

 

特に、2さいから3さいの日々は、激動のかわいさで、その記憶は全く薄れない。

現実の息子が30歳になっても、40歳になっても、50歳になっても。

 

息子にとっては、迷惑な話だと思うけれど。

 

 

浜田えみな