オトタチバナヒメは、12ひめ神の、最後のひめだ。

 

1番~5番までのひめ神が表しているのは、一人の女性の中にある基本的な魅力のうち、自分の中から引き出していくもの

 

6番目と7番目のひめ神は、相手の中から魅力を引き出していくために、どのように対処すればよいかを伝えてくれる。

 

8番目と9番目のひめ神は、未熟な男性を見抜くためにある、女性の、目に見えて、華やかで一途な魅力と、目に見えない、地味で不変の魅力を教えてくれる。

 

そして、10番目のひめ神は、1番から9番までのひめ神の魅力を一つに束ね、女性の成長の目標となる姿を教えてくれる。

 

〈10の宝物〉を、女性は持っている。

 

11番目と12番目のひめ神は、1~10の魅力を使っていくために女性に備わっているという、不思議な力を教えてくれる。

 

11番目の、ククリヒメが持つ力は、結ぶ力〉と〈本心を伝える力〉だ。

 

12番目は、神話に登場するひめ神ではなく、歴史上の女性。

 

12代景光天皇の皇子、ヤマトタケルノミコトの后とされる、オトタチバナヒメだ。

 

(いったい、どんな力を持っているというのだろう?)

 

ひめ神カードに描かれているのは、海神の怒りを鎮めるために、入水するシーン。 

 

(誰かのために、自分を犠牲にして尽くせと?)

 

ひめ神カードが伝えているのは、別の観点であることを、山下弘司先生は、オトタチバナヒメが別れの時に詠んだという歌をひもといて、教えてくださった。

 

〈さねさし相武(さがむ)の小野(をの)に燃ゆる火の火中(ほなか)に立ちて問ひし君はも〉

(相模の野で、燃え盛る火の中に立ち、私の安否を気遣って声をかけてくださったあなたよ)

 

オトタチバナヒメは、自己犠牲を強いられた〈いけにえ〉ではなく、自分へと向けられた気遣いを何度も反芻し、ふくらませ、海の底に沈みながら、感謝とともに、このうえなくヤマトタケルによりそう、〈愛の権化〉だったと感じる。

 

オトタチバナヒメが至福の歓びの中で、胸に抱いて沈んだのは、敵に謀られ火攻めにあったとき、ヤマトタケルがかけてくれた、小さな言葉


おとたちばなひめ

その小さな言葉が、ヒメの中で、しだいに大きくなり、ふくらんで、究極の愛のかたちとなる。

 

〈受けとった小さなものを大きくする力〉

 

〈小さな10のひめの種を、大きくして、愛する人のために使う力〉

 

小さなものを大きくする力のことを、山下先生は、「子宮のチカラ」だとおっしゃっていた。

0,1mmの受精卵を、50㎝の5千倍の新生児に育む、子宮力。

女性だけが持っている力。

 

〈小さな宝物を、大切に守って、大きくする力〉

 

浜田えみな

 

美智子上皇后が、1998年 第26IBBYニューデリー大会 基調講演の中で、オトタチバナヒメのことにふれている → 

 

スピーチの動画。なんて美しいことだま → ★★