私にしか行けない場所。
私しか体験していない感動。
いつでも、瞬時に連れていってくれる。
いつでも、五感に蘇らせてくれる。
そこにあるのは、いつも「今」。
***
「今年は短歌をやります」と、ことあるごとに宣言してきた。
「隕石をどかんと抱くような短歌を詠みたい」と、渇望しているにもかかわらず、気負いばかりで作歌のかけらも降りてこない。
ことばがつながらない。
参った。
大好きな歌人の江戸雪さんが審査員をされる短歌賞がある。
応募するからには心に留めていただける歌を詠みたい。
なのに、たった一首も浮かばないまま、じりじりと日が迫ってくる。
参った。
短歌なんて考えてひねりだすものじゃないのに、考えようとしている。
参った。
原点にかえろう。かえりたい。
***
私にとっての短歌の原点とは何か?
私にしか行けない場所に、いつでも、瞬時に連れていってくれるもの。
私しか体験していない感動を、いつでも、五感に蘇らせてくれるもの。
長い文章で言い尽くすよりもっとリアルに。もっとダイレクトに。もっと3Dで。
タイムマシンのように遙か時空を超えて、そこにあるのは、いつも「今」。
初めて体験したとき、その臨場感に心が震えた。
今も震える。いつも震える。
魂で書いたものは魂に届くと、村松恒平先生が教えてくれたとおりに。
そんな原点にかえりたい。
締切の今日、投函した歌は、私にとって、何月何日何曜日何時何分何処までも特定できるパーソナルな体験だ。
私にしか行けない場所。
私しか体験していない感動。
いつでも、瞬時に連れていってくれる。
いつでも、五感に蘇らせてくれる。
そこにあるのは、いつも「今」。
だから、とても満足。
そんなことは誰にもわからないだろうけど(笑)
浜田えみな
