(画像は、的場ふくさんからお借りしています)


2月7日に開催されたバレンタインワークショップ【和菓子の菓銘に想いを込める☆みそひともじのことば遊び】に参加し、一首だけのつもりで始めた「和菓子店 青洋(わがしみせ せいよう)」さんの和菓子と短歌のコラボは、あまりにたのしく、気がつけば十首完成!


十個の和菓子は、説明の図案に記されていた順番に並べてみると、下記になります。


*    *    *


空の蒼映した雲に乞う想い結晶していく雪の日の朝


ふつふつと寄せる想いもジェラシーも折り目正しいわたしを崩して


書きあぐね季節の花の香(か)を添えて何も入れずに封をしてみる


「ひるまない」揺れるピアスは恋の紙垂(しで) 祓えたまえよ弱気も不安も


照らされてまた翳り往く横顔を見守っている月のほとりで


この糸が赤でなくともこの先が途切れていても 今、絡んでる


その日から行く手にそびえる遙か頂(やま) 登りつめてく恋の須弥山(しゅみせん)


音と色そのかさなりを織りあげた反物転がす春のおとづれ


待っている あなたのココロにもぐりこみ芽吹く日のあさ目があうように


燃え尽きて灰になっても炭を抱きあたため続ける七輪の腕


*    *    *


こうして並べてみると、ストーリーが起ち上ります。


作歌のとき、誰かひとりの女性の恋愛を想定していたわけではありません。
まいにち、美しい和菓子を見ながら、私の中に生まれていた女性(女子)は年齢も性格もさまざまだったのですが、通して味わっていくと、ひとりの女性のある愛のかたちが生まれていることに驚きます。

順番も、わたしが頭で考えて決めたものではなく、青洋さんのメモに書かれていた順番なのです。


(決まっているのだ)


と感じます。


(待たれているのだ)


と。


誰かがすくいあげてくれるのを。気づいてくれるのを。ひらいてくれるのを。


創作というものは、その声を聴いた人が、自分のできることを介して誰にでも見えるかたちにすることなのだと。


たとえば、恋愛のはじまりからおわりまで、十首詠んでくださいと頼まれても、ぜったいにできなかった世界の顕れ。


並べられた和菓子は曼荼羅のようです。

そして、順番という「周期」を持つものは、その最初から終わりまで到達したとき、必ず新しい扉がひらきます。


このことを実感させていただき、感無量です。
もっと体験したいです。
きっかけは、いろいろなところから飛び込んできます。
つながる糸の始まりも、もうたどれないほどに。


そして、つながる糸の先は、想像することもできないほど、のびています。

ご縁に心から感謝して。


ことしは、そういうことを、やります。


浜田えみな


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