黄葉を映すがごとき羽をして雪踏む鶏に若冲と呼ぶ



浜田えみな


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伊藤若冲は江戸時代の絵師です。


彼の筆による鶏は、もっとすごいのですが、ふいに視界に飛び込んできた鶏の羽の色が、頭上の黄葉の彩とあまりにもマッチしていて、目を疑いました。
何かの魔法のようでした。

美しい羽の一枚ずつの動きやかたち、質感のちがいが光の中に鮮やかに浮き上がり、過去に観たことのある若冲の鶏の躍動感が、いっぱいに広がってきたのです。